逆襲のクライマックスシリーズ(CS)へ、鷹のバットマンが引っ張る。ソフトバンク近藤健介外野手(30)が12日、ペイペイドームの全体練習を終え、負けられない短期決戦へ静かに闘志を燃やした。今季は26本塁打、87打点で本塁打王と打点王に輝き、さらに最高出塁率と打撃タイトル3冠を獲得。14日開幕のCSファーストステージの舞台となるZOZOマリンは鬼門だが、近藤のバットがCSファイナル進出へ導く。

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チームで最も頼れる男が負けられない短期決戦へ、静かに闘志を燃やした。「1つのプレーが命取りになる。1打席、1球1球を大事にしていきたい」と力を込めた。CSファーストステージ本番を2日後とし、近藤がペイペイドームで行われた全体練習に参加。打撃練習などで汗を流し「勝つために自分のできることを準備をして臨むだけだと思う」とさらり。心身ともに万全の状態で挑む。

日本ハム時代には14年、15年、18年と過去3度ほどCSファーストステージを経験した。通算で36打数11安打で打率3割6厘、1本塁打、5打点をマークしている。自身にとってポストシーズンは5年ぶりにも、「いい意味で緊張したり、入り込み過ぎたりするので冷静な自分と対話じゃないですけど、客観的にも見られる自分も必要だと思う。そこは大事にしていきたい」と肝に銘じ、あくまでもシーズンの延長線上と位置づける。

FA移籍1年目の今季は大車輪の活躍を見せた。全143試合に出場し、26本塁打、87打点はともにキャリアハイでリーグトップの数字だ。自身初の本塁打王と打点王に加え、球団記録を更新する計109四球を選ぶなど、出塁率4割3分1厘は12球団トップで最高出塁率と打撃タイトル3冠を獲得した。だが、自身の成績とチームの順位は比例せず。3年ぶりのV奪還は果たせず、勝率たったの1毛差でロッテにCS本拠地開催まで奪われた。以前に「日本一のチャンスは残されている」と語っていた近藤。シーズンの悔しさを晴らす時はきた。

ロッテとの今シーズンの対戦成績は12勝12敗1分け。互角の結果も、敵地ZOZOマリンでは4勝8敗1分けと大きく負け越した。鬼門の敵地が舞台となるが、近藤は直近5試合で13打数7安打の打率5割3分8厘、3本塁打と打ちまくった。嫌なデータも、近藤のバットで吹き飛ばし、まずはCSファイナルへ導く。【佐藤究】

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