オリックス山本由伸投手(25)が、故金田正一氏以来の偉業を達成した。

故沢村栄治氏を記念し、シーズンで最も優れた先発完投型の投手に贈られる「沢村賞」の選考委員会が30日、都内で開かれ、山本が故金田正一氏以来65年ぶり2人目の3年連続受賞を果たした。

会見に応じた山本は喜びとともに、さらなる進化を誓った。「賞の中でも唯一、今まで活躍してこられた大先輩の方に選んでいただける賞。そういった素晴らしい方に選んでいただけるというのは、すごくうれしく思います。もっともっと努力を重ねていきたいなと心から思います」

レギュラーシーズンでは16勝、防御率1・21、勝率7割2分7厘、169奪三振すべてでトップを守り、先発部門の全タイトルを独占。3年連続の4冠を達成したエースにさらなる称号が加わった。

さまざまな数字の中で、山本が一番喜んだのはプロ7年目で最良だった防御率1・21。「一番自分のピッチングが影響する数字ではあるので、すごく重要視してるというか。うれしいですね」。完投、完封は1度ずつ、先発23試合のうち17試合で7イニング以上を投げ、チームの柱だった。

今季から左足をあまり上げない新フォームに挑戦。くしくも沢村栄治氏のフォームと似ていた。山本も実際に映像を目にし「すごい投手がそういったフォームをしてたということは、すごくうれしかったというか、良かったです」とさらなる自信にした。

名実ともに球界のエースに君臨しても、追い求める理想はまだ高い。「もう本当に隙のない、毎試合ベストパフォーマンスを出せるようになりたいですね。もう全部突き詰めていきたいです。もっともっと極めていけたらなと思います」。まだまだとどまるところを知らない。

◆沢村賞 故沢村栄治氏の功績をたたえ、1947年(昭22)に制定。同賞受賞者または同等の成績を挙げた投手で、現役を退いた選考委員による選考委員会で決定。基準は(1)15勝以上(2)150奪三振以上(3)10完投以上(4)防御率2・50以下(5)投球回200以上(6)登板25以上(7)勝率6割以上。先発で7回以上、自責点3以下が指標の「日本版クオリティー・スタート(QS)」の達成率を含む他の成績も考慮される。89年から両リーグが対象。受賞者には金杯と副賞300万円が贈られる。

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