阪神が同点の9回、大山悠輔内野手(28)の劇的サヨナラ打で2勝2敗のタイに戻した。負ければ王手を掛けられた日本シリース第4戦。執念を体現したのは岡田彰布監督(65)の超大胆タクトだ。7回に失策で同点のきっかけをつくった佐藤輝明内野手(24)を懲罰交代。8回は左脇腹筋挫傷で離脱していた湯浅克己投手(24)を投入してピンチを断った。接戦で6番打者を代え、4カ月半ぶりの登板の投手をここ一番で送り込む大勝負がズバリ。超満員札止めの虎党は歓喜の六甲おろしに酔いしれた。

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○…85年阪神日本一監督・吉田義男氏(90=日刊スポーツ客員評論家)も、劇的な勝利を見届けた。三井住友フィナンシャルグループ名誉顧問・奥正之氏、ロイヤルホテル会長・蔭山秀一氏ら経済界トップと生観戦。「やはり短期決戦は難しい。最後は継投の勝負になったが、3対3の同点でも、岡田は9回に岩崎をつぎ込んで勝負をかけるだろうと思ってみていた」。シリーズ前から「第5戦がカギ」と語っていたレジェンドは「オリックスも地力があるが、阪神ペースになった。明日(2日)勝てば一気にいくだろう」と見通した。