DeNAの金の卵が1発回答だ! 社会人の日本選手権が8日、京セラドーム大阪で開幕し、1回戦3試合が行われた。10月26日のドラフト会議で3球団競合の末、DeNAが1位で交渉権を獲得したENEOS(神奈川)の度会隆輝外野手(21=横浜)はTDK戦(秋田)戦に「5番右翼」で先発。初打席で先制ソロを放ち、初戦突破に貢献した。

ドラフト指名後の公式戦初打席で、度会が猛攻のノロシを上げた。0-0の2回、先頭で打席に入ると全球内角攻め。「マークが厳しい中で打ってこそ一流」とカウント3-1からの5球目、内角低めの146キロ直球をフルスイング。弾丸ライナーが右中間スタンドへ吸い込まれた。一塁を回ったところで「めちゃくちゃうれしかった」と右手を突き上げ、喜びを爆発させた。ムードメーカーの1発に打線が着火。12安打9得点で快勝した。

“2人の父”の助言がいきた。両親がスタンドから応援。前夜にはヤクルトでプレーした父・博文さん(51)から電話で「力むな。楽しくお前らしいプレーを」という言葉をもらっていた。もう1人は度会が「野球のお父さん」と慕う大久保秀昭監督(54)だ。本塁打の打席に入る前に「力まなければ大丈夫」と助言された。度会は「(父は)大久保監督と似ているところがあって。本当に同じことを。力まなければ大丈夫という気持ちにさせてくれたので、助言のおかげかなと思います」と笑った。

DeNAに1位指名された10月26日のドラフト会議以降は、興奮でなかなか寝付けない日もあったという。その反響も感じている。「応援してくれる人が増えて、ホームランでも喜んでくれた。その方たちを笑顔にできるようにしたい」と語った。今大会は「家族のように温かい」チームでの最後の戦いでもある。今夏の都市対抗ではトヨタ自動車(愛知)に敗れ、2回戦敗退。その雪辱に燃える。「ドラフトで呼ばれてすごくうれしいけど、まずは日本選手権を優勝しないとダメ。大好きな監督を胴上げするために死に物狂いで優勝したい」と意気込んだ。感謝の気持ちを一打に込め、日本一へと駆け上がる。【村松万里子】

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