広島末包昇大外野手(27)が宮崎・日南の秋季キャンプ最後の紅白戦をマルチ安打で締めくくった。

4回は斉藤から三塁線を襲う二塁打を記録し、7回2死一、二塁では森浦から右前適時打を放ち、打点をマークした。

今キャンプ6度の紅白戦すべて4番で起用され、12日の侍ジャパン戦も4番を任された。首脳陣の期待は大きいが、今キャンプではスイング時にグリップのテイクバックが緩むなどフォームを崩した。18日には新井監督から直接指導を受け、気づきを得た。「技術がついてきたらメンタルに余裕が出る。次これを狙おうかなくらいで(打席に)入れる。技術のことも配球のことも考えていては、いっぱいいっぱいになってしまう」。今年最後の実戦で、あらためて技術を磨く重要性を感じた。

来季はFAでの移籍が決定的な西川が抜ける外野、外国人らと争う一塁のレギュラーを狙う。「自分が打たないことには、監督の選択肢にも入ってこない。そこは自分がどれだけ頑張れるか」。持ち味の打力を磨いていくことがレギュラー取りに近づく。

この日は末包だけでなく、林、中村貴、中村健といった外野のポジションを狙う若手がそろって適時二塁打を記録した。新井監督は若手による競争激化を求めた。「外野、内野も一塁、三塁というのは競争。ずっと意識し合って、刺激し合ってやってもらいたい。来年春が始まったときに、ライバルよりも1歩、2歩先にいて。そこからスタートするぞというつもりで、オフを過ごしてもらいたい」。21日に秋季キャンプは打ち上げを迎えるが、レギュラー取りへ向けたチーム内の争いは終わらない。【前原淳】

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