「三井ゴールデン・グラブ賞」の表彰式が11月30日、都内で開催され、西武源田壮亮内野手(30)がパ・リーグ遊撃手部門で6年連続6度目の表彰を受けた。

今季は3月のWBCで世界一メンバーになったものの、同大会中の走塁で右手小指を骨折。ペナント開幕後は球団方針でリハビリを優先し、1軍合流は5月下旬となった。

シーズンを終え「当然ケガしたくはなかったけど、自分の人生にとってはすごく大きな経験になりましたし、野球人生にも大きな経験になったと思います」と感慨深げに振り返った。

帰国後の約1カ月半は「患部以外は元気」というもどかしい状況が続いた。

わずかな変化があっても「極秘です」と言った。球団方針とはいえ、1軍戦線に入れないもどかしさ。指の様子を確かめながら、1歩ずつしか進めない。

「日にち薬です。骨は」

苦笑いしながらのそんな言葉が印象に残る。

3月末、世界一からの帰国直後は「1軍復帰は2カ月後くらい(の6月)では?」とのうわさが飛んでいた。遊撃ではルーキー児玉らが奮闘したものの、源田の不在は大きい。

4月末、一度だけ「復帰のめどは?」といった趣旨のことを尋ねた。

「うーん、どれくらいプレーできるのかというところもあると思うので。もうちょっとかかるなかと」

100%で行きたいのか、それとも例えば80%でも…と考えているのか。驚きの言葉が返ってきた。

「本当にこれ、100%直そうと思ったら、多分もう、シーズン終わっちゃうので」

その後は患部についてはっきりした説明は避けているものの、源田は100%完治しきらぬまま戦っていた。

11月末の契約更改での言葉も、どことなく行間から読み取れる。目指す数字を問われ、こう答えた。

「まずは試合に出ること。グランドに立つこと。コンディショニングをしっかりすること」

この日も表彰の壇上で言った。

「今年は本当にもったいないミスもありましたし、来年はスタートからしっかりしたプレーができるように準備したいなと思います」

長いオフを越え、万全な源田壮亮として2024年シーズンを迎える。ゴールデン・グラブ賞はオリックス紅林と1票差の受賞で、楽天村林も台頭してきた。「裕大、うまいっすよ」と社会人時代の後輩、ロッテ藤岡の力も認めている。

でも負けない。

「1票差でしたけど、選んでいただいたすごくうれしいです。一度取ると譲りたくないので、来年も取れるように頑張ります」

そのためにも冬をじっくりと過ごす。【金子真仁】

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