日本ハム上原健太投手(29)が1日、来季も投打二刀流を継続することを明かした。北海道・北広島市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、今季年俸2400万円から1600万円アップの4000万円でサインした左腕は、交渉の席で球団と二刀流の継続か否かを話し合ったことを明かした。

上原 最後の方に、ちょろっとだけあったんですけど、僕としては球団から「もういいよ」「もうやめろ」「もうするな」と言われない限りは、1度始めたことはやり通すと決めて始めたので。で、それは言われなかったので。言われるかなと思ったんですけど、言われなかったので、まああの…こっそり、ひっそりと続けていこうかなと思います。

上原自身は、野手としては“戦力外通告”を受ける覚悟を持って交渉に臨んでいた。21年秋季キャンプで22年シーズンからの投打二刀流への挑戦が決定。ただ、昨季も今季もセ・リーグ本拠地での交流戦で先発登板した際に打席に立つことはあっても、野手としての1軍出場はなかった。

一方で、投手としては、この2年間で飛躍した。昨季は25試合登板(先発11試合)で3勝をマーク。今季は19試合登板(先発18試合)で自己最多タイの4勝を挙げ、投球回も初めて100イニングを突破した。年俸アップは投手としてのプラス査定。だからこそ、結果を出せていなかった野手としてのクビを覚悟していたが、球団の反応は上原の予想に反するものだった。

上原 「逆にどうする?」みたいな感じで言われたので、決定権こっちにあるんだなって(笑い)。それなら、やめます…とはならないので。

覚悟を持って挑戦を決めた投打二刀流だ。1軍の先発ローテーションに入った今季は、2軍戦で野手として出場する機会がほぼ巡ってこない中でも、見えないところで打撃練習は行っていた。

上原 できればファームでも実戦を経験できればいいですけど、うれしいことに1軍にいると、そういう経験ができないので、なかなかレベルアップするのは難しいなと今シーズン感じて。誰かが見てくれているわけでもない。その中でやっていくのは、ものすごく難しいところではあるんですけど。今年は自分で(打撃練習をする時間や場所を)みつけるしかなかったんで。(チームの試合前などの)練習中は、もちろんピッチャーの練習をして。で、野手がいない時間、いないタイミングで、こっそり(エスコンフィールドにある打撃練習場の)バッティングトンネルに行って。野手が来たら、逃げて(笑い)。先発なんで(登板日以外の)先帰り(早上がり)があって、寮の室内で打ったり、素振りしていたり。なんか、そういうことしかできなかったんで。こんなんじゃレベル上がんねぇなとは思っていたんですけど、でも、できることはやろうと思ったんで。来年も、そうなるのかなと思います。

投手としての来季の目標は「規定投球回」。野手としての目標は-。

上原 ないですね(笑い)。もちろん、試合に出られるチャンスがあればいいけど、まずはそのレベルに達して、さらに1軍にいる選手たちに勝たなきゃいけないというのは、ものすごくちょっとやっぱハードルが高い、レベルが高いことなんで。まずは、勝負できるっていう自信を付けることが大事なんじゃないかなと思います。

オフももちろん投打で自主トレを行い、来季へ備える。(金額は推定)

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