本気で牙城を崩しにいく。ソフトバンク川瀬晃内野手(26)が5日、ペイペイドーム内の球団事務所で契約交渉に臨み、1000万円増の年俸2700万円で更改した。8年目の今季は自己最多102試合に出場し、終盤の9、10月はスタメンが激増。2カ月間の打率が3割2分7厘と活躍した。内野全てを守るユーティリティープレーヤーは来季、遊撃一本で名手今宮健太内野手(32)に挑む。

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1000万円の給料アップ。川瀬は会見で思わず頬を緩ませた。「笑顔出てました? バレました?」。愛くるしいキャラが魅力的な26歳は「自分自身が思っていた以上の金額。アップなので来年はもっと頑張りたい」。2年連続の昇給を勝ち取り、語る言葉も違う。

「今までは半信半疑な部分があった。言っていいのかなって。カメラさんの前なのでどうしても言わないといけないというのがあったけど、今年に関しては挑戦状という形で強気ですし、負けたくない思いでいます」

長らくチームで遊撃手を担ってきた今宮への挑戦状だ。今季は自己最多102試合に出場。9、10月は主軸として打率3割2分7厘を残した。犠打や進塁打などチーム打撃も光り「めちゃくちゃ偏差値上がりました」。プロ入り後、最も濃密な時間を過ごした。「これだったらレギュラーになれるというのをあの2カ月で感じました。やらないといけない。僕が出ないといけないなと」。来季は遊撃一本に絞り、正真正銘のレギュラーを奪いにいく。

今オフは師匠でもある今宮から独り立ちし、大分・国東市で単独自主トレを行う。年明けから2~3週間、泊まり込みで行う予定だ。「もう26歳になった。いつまでも先輩に頼りたくないので」。例年はやっていなかったバントやバスターなど小技も「打撃練習の中でやっていきたい」と計画を立てている。「勝負。今までにない感情があります」。笑顔の中には闘志があった。【只松憲】(金額は推定)

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