ロッテ藤原恭大外野手(23)の言葉に年々、深みが増している。

「小学生も中学生も、あと何年かしたらプロの世界にも入ってくる人がいると思うんで。僕らもそれまで現役でいられるように頑張るので」

この日、神奈川・川崎市内で行われた「アンダーアーマーベースボールクリニック2023」に参加し、約60人の子どもたちに打撃指導などを行った。

最後のあいさつで「それまで現役で」という言葉が出た。大阪桐蔭で春夏連覇を果たしてから、もう5年の月日が。この日接した子どもたちがプロ野球選手を狙える時にはもう、30歳から30代半ばにさしかかっている頃合いだ。

この日は広島小園海斗内野手(23)との2人での野球教室だった。大阪・枚方ボーイズ時代のチームメート。中学時代からバッティングセンターに通い合うような仲だ。

「(小園は)結構ちゃらんぽらんというか、適当なイメージがあって。今も変わらないですけど、やっぱり天才だなと思いますね。一緒にやってて」

藤原の父は、こと野球に関しては厳しかった。

「僕が試合で打てなかった試合は、とりあえずそのまま夜9時くらいからバッティングセンターに直行で打たされてたんで」

一度行けば、10ゲームほどが目安。しかし隣のケージでは小園が。

「僕が真剣にやってる中、小園は横でちょっと打って上がる、みたいな。よくそんなんで打てるなというか、才能あるんだろうなと思って中学校からやってます」

人にはそれぞれやり方があることも学んだ中学時代から、もう10年近く。藤原は藤原流を貫いて「僕は厳しかったおかげで今があるのかなと。自分に厳しくやれればなと思います」と、さわやかな表情の裏で努力を重ねている。

小学生から「緊張をほぐす方法は?」と問われた。

「緊張してもいいというか、緊張するのは中学生高校生くらいまでだと思うので。緊張を楽しみながら僕は今、やってます」

23歳、藤原恭大。甲子園のスターは年を少し重ね、陰影が映える顔つきになってきた。【金子真仁】

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