オリックス福田周平外野手(31)が、来季もメンタル強化を続ける。今季から同じ明大出身、大学時代からの知人でメンタルトレーナーの若山裕晃氏とタッグを組んでいる。その二人三脚が生きたと特に感じたのは、日本シリーズ第7戦だったという。第6戦で逆王手をかけた後、中嶋監督から呼び出された。「行くからな」。日本一が決まる最終戦で「9番左翼」での今シリーズ初先発を告げられた。

「なんとなく分かるじゃないですか、今日出る、出ないって。全くないところから『行くぞ』って。雰囲気や空気感で、ずっと出番はないと思っていた」

それまでも準備は続け、第6戦は代走で出た。ただそのまま出番なくシーズンが終わることも覚悟していた。

「全くないところ」からの抜てき。それでも動揺はなかった。阪神の先発は青柳。レギュラーシーズンであまり対戦のない変則サイド右腕対策として起用され、その青柳からの2安打を含めて3安打をマークした。指揮官の突然の指令にも「気負わずにすっと入れた」と振り返った。その上で「来年以降もメンタリティーは考えたい。メンタルって大事で、話し相手や聞いてくれる人も大事」と実感を込めて言った。

今季リーグ戦の出場は前年の118試合から36試合と激減し、打率は1割9分1厘にとどまった。一方、ファームではプロ6年目にして最多の45試合出場となった。「試合に出るか出ないかは、僕は決められないし、ほかの選手も一緒。そこに労力を使いたくない」。クリスマスイブも大阪・舞洲の球団施設で練習し、心を整える福田の姿があった。【中島麗】

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