タイトルホルダー、復活へ。21年に最優秀中継ぎ投手に輝いた日本ハム堀瑞輝投手(25)が、8年目となる来季、これまでほとんど投げてこなかった「ツーシーム」を“解禁”する。

ここ2年は左肩痛の影響で登板を減らし、今季はわずか5試合にとどまった。打者の手元で小さく動く新球種を加え、再び勝利の方程式に戻る。

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堀は“ツメ”を研いでいる。21年に42HPでタイトルを獲得したが、翌年から左肩痛を抱えていた。「1軍で投げる分には、多少の痛みは我慢すると思ってたから。だけどちょっと良くない無理の仕方したな」。22年は41試合で防御率5・82。今季は5試合の登板にとどまり、防御率9・00と成績は下降していった。

完全復活へ向け、広島新庄時代から隠してきた“ツメ”、ツーシームを解禁する。

「高校の時も監督に『まっすぐとスライダーだけでいけ』って。プロ入ってからも『まずはまっすぐ磨いてスライダーを安定させて』っていうので。投げられるけど投げてなかった。パーセンテージ的に言ったら0・1%もないくらい」とほぼ封印してきた。「ゲッツーが欲しいときとかに。狙い通りやれたら」と来季へイメージを膨らませた。

不本意な2年間を糧に開幕を見据える。左肩は治療と並行して行ってきたインナーマッスル強化により完治。「鬱憤(うっぷん)を晴らすじゃないですけど、しっかり投げて、良い状態を維持したいのがいちばん」といまは自主トレに励んでいる。自身が苦しんでいる間には河野、福田俊ら中継ぎ左腕が台頭した。まずは万全な状態をキープして、来年2月のキャンプインへ向かう。【黒須亮】

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