巨人坂本勇人内野手(35)が世界を知る闘将から熱い激励を授かった。

12日、那覇市内で自主トレを公開。元ソフトボール日本代表監督の宇津木妙子氏(70)が“臨時コーチ”として自主トレに初めて訪れ、地獄の内野アメリカンノックなど熱血指導を受けた。かねて親交があり「お母さんみたいな存在」と慕う。数々の金言も胸に、三塁手として挑む今季に向かう。

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沖縄の日差しを浴びながら、日焼けした坂本の顔から汗があふれ出た。宇津木氏がノックバットを握り、坂本は三塁の位置に就いた。捕球後、内野を一周するアメリカンノック。ソフトボール流の地獄の特訓は約30分続いた。「追い込んでたつもりなのですけど、さらにしんどかった」と心地よい疲労感に浸った。

かねて宇津木氏とは親交があった。時に厳しく、愛のある言葉もかけてくれる。圧倒的な実績、年齢を積み重ねていく中で、貴重な人生の先輩だ。「お母さんみたいな存在。本当に厳しく叱咤(しった)激励をいただける。誰でも年がいくにつれて、何も言ってもらえなくなると思う。本当ありがたい」と感謝。前日11日は食事をともにした。その中にも金言が詰まっていた。

主戦場を遊撃から三塁に移す。「野球は間のスポーツだから。サードは一番投手に近い。タイムがかかった時は自分が行くとかね」と新たな守備位置の心得を説かれた。坂本は「足の速い左打者なら投手のすぐ近くに守る。わざわざ行って声をかけなくても、声が届く距離。間を取ってあげたりできればいい」と受け止めた。今まで以上にさりげない気遣いで投手を支えていく。三塁用にグラブも一回り大きなものを試す。

35歳の勝負どころに立つ。宇津木氏からは「日々、今日1日が大事」と目前の一瞬に集中する大切さも言われた。坂本は「この日この日の練習を精いっぱいやることが大事」と再確認した。

今季は19年以来の全試合出場を目標に掲げる。「全試合に出るっていうような気持ちで、シーズンに入る準備をしていかないといけない」と柔軟性を意識し、けがをしない体作りに励む。攻守の大黒柱。18年目も巨人をけん引していく。【上田悠太】

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