“見える化”で引き出しを増やす。巨人門脇誠内野手(22)が14日、鹿児島・鹿屋体育大で自主トレを公開。16台の超高性能カメラで打撃フォームを撮影し、動作解析した。データを取りながら、対応力を高める。体作りでは紙風船などアイテムを駆使。創価高、創価大と公式戦999イニングフル出場で「ストロング門脇」の異名を持ち、昨季は1年目ながら後半戦から遊撃の定位置を任され、井端ジャパンでも活躍した。今季は打率3割、出塁率4割を目標に、レギュラーの地位を固める2年目としていく。

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四方八方から16台のカメラに囲まれながら、門脇がスイングを繰り返す。体には計測のためのマーカーを張り、黒い特別なスーツに身を包んだ。カメラは1台500万円以上と超高性能。テーマは「一番はやっぱりバッティング。全部、数値化できる」と大学が誇る最先端施設でデータを計測し、頭で描く理想と実際の数値を擦り合わせた。

狙いは対応力アップにある。スイング軌道、感覚などを模索しながら、いろいろなフォームを試した。変えていく中でスイングスピード、関節の動き方、打球速度、地面からの反発力などさまざまな数値を計測。データを見ながら、相手投手、自分の調子など、場面に応じて微調整できる対応力を磨く。「いろんな力感がある。(数値化できれば)この打席はこの力感がいいとか、ここは振れるというところを自分の中でも理解できる」と引き出しを増やそうとしている。

アイデアマンだけに、ハイテク技術だけでなく、体作りにはアイテムを存分に使う。紙風船を背中に乗せて四つんばいで進んだり、ボールを踏みながら進んだりするトレーニングも行った。体の軸を意識し、ゴルフクラブでもスイング。「考えないとできない。全て頭から体を動かす。二遊間は複雑な動きが多い。そういう動きができる体作りが大事。普段、意識しないとやらないような動きができれば、守備でもいろんな場面で体が動く」。体重も4キロ増の77キロと、肉体面でも力強さが増している。

昨季は前半戦こそ打率1割8分8厘と苦しんだが、後半戦はリーグ3位の打率3割2分と対応力を示した。阿部監督からは遊撃のレギュラーとして計算されている。今季の目標を「守備はノーエラーでゴールデングラブ賞。打率3割以上、出塁率4割。四球を一番とるのはこだわっていきたい」と掲げる。経験を生かし、自分を数値化して成長を加速させられれば、さらに明るい未来も見えてくる。【上田悠太】

 

門脇の使用アイテム

◆特殊サングラス レンズが高速点滅し、視覚が断続的に遮断される。脳が活性化され、同時に眼筋を鍛える。動体視力、周辺視などを向上できる目のトレーニング機器。

◆酸素発生器 65万円かけて入寮後に自費購入。酸素を取り込み、血液の循環をよくすることで疲労回復を促進。就寝前に約1時間行う。

◆下半身マッサージ器 約30万円で自費購入。試合、練習後に疲労回復に役立てる。

◆ティー打撃スタンド ドラフト指名後の練習でHANG(ハング)社のティースタンド「サクゴエ」を使って振り込んだ。先端部分が透明で打ちやすく、ソフトバンクなどプロ球団のほか、オリックス杉本も愛用する。

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