若虎よ、止めてみろ! 阪神西勇輝投手(33)が17日、西純と沖縄・宜野座での自主トレを公開した。プロ16年目の今季は1500奪三振や2000イニングなどの通算記録も迫る。だがチーム最年長の右腕が願ったのは、記録達成よりも若手投手の台頭だった。

「『西さんの記録を達成させない』というような若手が出てきたり…。僕自身も達成できるように、いい調整でね」

江夏豊以来、球団5人目の1500奪三振までは残り89奪三振。球団11人目の通算2000イニングはあと60回1/3で到達する。いずれも今季中に十分に達成が可能な数字だ。一方で現在は若手投手から頻繁に質問を受ける立場でもある。この日もブルペンでは西純の立ち投げを受け、再三アドバイスを送っていた。

「誰がローテーションに残るという確約もない。みんなが6個の椅子を奪い合って、シーズン中も奪い返すとかでいいと思う」

理想に掲げたのは個人記録以上に、高いレベルでの競争活性化だった。

もちろん、居場所をやすやす譲る気はない。

「(記録達成)できたらいいですよね。やっぱりそれだけ投げ続けないと取れない数字だというのは、誰もが分かっていますし」

ブルペンでは立ち投げで31球を投げ、捕手役を務めた西純のグラブ音が心地よく室内に響いた。昨季は約1カ月半の2軍生活も経験。1軍で完走できなかった分、例年に比べて「すごく体が軽い」と充実感が漂う。状態の良さを維持し、競争の末に快挙を成し遂げるつもりだ。

今季の目標を問われると色紙に「キャリアハイ」と記した。

「去年が深く沈んだので、今年は高く飛びます」

決意を胸に、若手に背中を見せる。【波部俊之介】

▼阪神西勇輝は1500奪三振まで残り89奪三振、2000投球回まで残り60回1/3と、節目を射程圏内に捉える。先発登板数が増えた11年以降は毎年100奪三振前後、投球回も100以上で今季達成も可能だ。1500奪三振は球界で59人、阪神では小山正明、村山実、権藤正利、江夏豊の4人が達成。2000投球回は球界で93人が達成し、阪神では1500奪三振達成の4人に加え、若林忠志、藤村隆男、渡辺省三、若生智男、安仁屋宗八、小林繁の10人が達成している。

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