巨人菅野智之投手(34)が完全復活を予告する“さんライズ”ボールを習得した。22日、自主トレ先の米ハワイから帰国。引き締まった体で到着ロビーに姿を見せた。「今までのハワイで一番、充実していた印象。よく走ったり、トレーニングもしっかりできた」と仕上がりに手応えを示した。

ランニング、トレーニングに重点を置きつつ、平地で全力に近い投球に復活の兆しを感じとった。「球質も変わったというか、上から押しつぶす感じがある」と直球にスピン回転が増した。たまたま居合わせ、捕球してもらったマリナーズのブルペン捕手も「球が“ライズ”してる」とうなずき親指を立てた。

絶対エースとして沢村賞2度、最多勝3度などタイトルを総なめしてきた。だが、昨季は開幕直前の右肘痛で離脱。大きく出遅れ、4勝8敗、防御率3・36にとどまった。投球フォーム、思考を見直すことも受け入れた。現状からの打開策につながればとあらゆることに気を配り、胸郭と肩の柔軟性に至るまで細部にこだわった。終盤に計測した155キロと比べ「質的に言ったら、間違いなく今の方がいい」と球速に質も兼ね備えた。

ベテランの領域に入った菅野“さん”だからこそ、新人にも惜しまずアドバイスを送る。「投げたいと思うし、アピールしたい気持ちがあると思う。でも頑張りすぎないように、いろんな話をできたら」と経験を還元していく。プロ12年目、老いるには早すぎる。完全復活の先に15勝&最多勝を掲げる。苦悩の夜が明け、再び朝日が昇る。【上田悠太】

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