ソフトバンクにFAで加入した山川穂高内野手(32)が2日、移籍後初の屋外ロングティーで規格外のパワーを披露した。合計108スイングで75本の柵越え。3日にはフリー打撃を行い、本格的な打撃練習を開始する。昨季は自身の不祥事で出場17試合にとどまったが、FA移籍1年目で2冠を獲得した近藤健介外野手(30)のように結果を残し、周囲の信頼を取り戻す意気込みを語った。

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雨上がりの空の下、山川がメイン球場で快音を響かせた。手でトスしたボールを打つロングティーとはいえ、合計108スイングで75本の“アーチ”。確率にして、スイングの69・4%が柵越えだった。「いいんじゃないですかね。普通に思ってたぐらいだと思います」。新加入のスラッガーは、柔らかな表情でチームバスに乗り込んだ。

自主トレ公開日やキャンプ初日だった前日1日は、室内練習場でバットを振った。西武からの移籍後、公の場で屋外打撃をするのはこの日が初めて。場外アーチも連発し、スタンドのファンをどよめかせた。「ロングティーは強く打って、さらにそれを止める動作も入る。僕は一番、筋肉痛になりやすいと思っています。足とか背中が張りますので。そこを1回張らせておくっていうのも考えましたし、今日ので十分張ると思います」。3日はフリー打撃を行う予定。過去に3度、本塁打王に輝いた打棒をいよいよ披露する。予行演習を終えた山川は「しっかり打ちたいと思います」と口元を締めた。

FAの“先輩”に倣う。昨季、日本ハムから移籍してきた近藤は本塁打と打点で2冠王を獲得した。ファンやチームメートからは「コンちゃん」と慕われ、すでに小久保監督から今季の開幕スタメンも確約された。山川から見て、近藤は2学年下。年齢では後輩の姿を見て「(自分は)認めてもらわないとだめだと思う。キャラだけで溶け込んでも仕方がない。試合で結果を出して、監督、選手、スタッフ全員の人、ファンも含めて認めてもらうのが一番溶け込めると思います」と自身に言い聞かせるように語った。

昨季は女性問題による不祥事が発覚し、信頼を失った。再スタートを切る新天地で、心身の準備は怠らない。ロングティーから規格外のパワーを惜しみなく見せたのは、その一環だ。「しっかりやっていくだけです」。ホークス山川が本格始動する。【只松憲】

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