ソフトバンクに西武からFAで加入した山川穂高内野手(32)が3日、移籍後初のフリー打撃でタカ党から拍手喝采を浴びた。4連発を含む、46スイングで13本の柵越え。不祥事発覚から出直しスタートを誓っていただけに、小久保裕紀監督(52)も「彼は救われたんじゃないですか」と胸中をおもんぱかった。宮崎キャンプ3日目。ホークス山川のお披露目は温かい雰囲気で終えた。

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山川が快音を響かせた。打球は13度も外野芝生席に届いた。着弾のたびに宮崎アイビースタジアムには「おぉ~」とファンの声が響き渡り、拍手が湧き起こった。小久保監督は「俺らの時は入って当たり前だった。拍手はなかったけどな」と苦笑いしつつ、山川の胸中を察した。「お客さんの拍手が今日一番、彼は救われたんじゃないですか」。

山川は西武時代の昨季、女性問題による不祥事が明るみに出た。公式戦出場停止処分を受け、1軍出場はわずか17試合。不起訴になったとはいえ、FA移籍は物議をかもした。それでもキャンプ地に訪れたタカ党の前では期待通りの放物線を描いた。小久保監督は「いろんな思いでホークスのユニホームを着て、初めての外でのフリー打撃。プロっていうものを見せつけて、そこの評価に対する拍手でしょうから」と続けた。指揮官にとっても就任1年目の軸となるスラッガー。この日の拍手喝采でホークス山川がまた1つ前進した。

移籍後初のフリー打撃で左方向へ4連発を含む、46スイングで13本の柵越え。「非常に楽しかったです」と推定130メートル、場外への2発も披露した。フェンスを越えるたびに起きる拍手に「すごくうれしく思います。久しぶりに多くの人の前でできたので。楽しかったですし、引き続きしっかり応援してもらえるように頑張りたい」と引き締めた。

この日はウオーミングアップ前からメイン球場に姿を見せた。1人で入念にストレッチ、ジョギングを繰り返した。「アピールとかそういうことでもなく、不安なだけ。僕はいきなり体を動かすとやばい(けがする)可能性があるので」。午前5時半には起床し、体のケアから山川の1日はスタートする。「『頑張ってください』『応援しています』と言ってくれる人がいっぱいいたので、本当にありがたく思います。いいプレーを見せて一緒に勝ちたい」。ホークス山川は歓迎されている。【只松憲】

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