安心してください、間に合いましたよ。阪神伊藤将司投手(27)が5回2安打無失点とV字復調を見せた。生命線となる直球の制球が光り「フォームがかみ合って、コースに投げられていた。直球はしっかりラインが出ていたし、変化球も丁寧に投げられていたのでよかったです」と自ら合格点をつけた。

6日の楽天戦(甲子園)では4回6安打2失点。なかなか直球が上向かず、危機感を募らせた左腕はバランスの見直しに着手。1週間で整えてきた。

初回2死で角中の打球を左足に当てるピンチがあったが、持ち直した。4回には角中に1ボールから5球連続で直球を投げ込み、最後は会心の外角低めで見逃しを奪った。試合後に足の状態を聞かれると「痛みは…取れました!」。相当な痛みがあったことをにおわせた。

4年目で初めて長袖アンダーシャツを着て登板した。強風による寒さ対策だが、「投げやすい」と半袖を貫いてきた伊藤将には“大英断”だ。こだわりを捨てるほど重要なマウンドだった。公式戦は「半袖でいきます」と照れ笑いした。

順調なら開幕2カード目第2戦の4月3日DeNA戦(京セラドーム大阪)の先発が有力だ。岡田監督もさぞ安心…と思いきや「内容は普通。真っすぐはそんな走ってなかったな。もうちょい出そうやけどな。まあ“7失点スタート”の投手やから」と辛口だ。オープン戦開幕戦の2月23日巨人戦(沖縄セルラースタジアム那覇)に先発し、初回に7失点。振り返れば、歴史的9連敗は伊藤将の大炎上から始まっていた。

地元千葉で連敗を止め、自身にもようやく道筋が見えた。「やっと5回無失点、ゼロで投げられた。ここからどんどん上げていきたいです」。7失点スタートの挽回はこれからだ。【柏原誠】

【関連記事】阪神ニュース一覧はこちら―>