日本ハム万波中正外野手(23)が、節目ずくめの大暴れでチームに今季の本拠地初勝利をもたらした。「3番右翼」でフル出場し、1回に先制打を放つと5回には左中間へ今季1号3ラン。自身にとっては3番初アーチで、史上最年少での全打順本塁打を達成した。さらに、この1発が昨季開業したエスコンフィールドの記念すべき通算100本塁打目。主砲が一気に、お目覚めだ。

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万波が狙い打った。5回2死一、三塁。岸の初球。冷静に前夜からの攻められ方を整理して「あそこはちょっと一本釣りまではいかないけど、結構高い確率であるんじゃないかな」と待っていたスローカーブを捉えた。左中間へ会心のアーチがかかった。開幕5戦、20打席目で今季1号が3ラン。打撃練習でも打球が上がらない感じだっただけに「思ったより早かった。良かったなと思います」と24年シーズン1本目に安堵(あんど)した。

この1発がメモリアルアーチになった。昨季開業した本拠地エスコンフィールドで飛び出した通算100本目の本塁打となった。「うれしい。ファイターズの球場なんで、ファイターズの選手が打てたことはすごい、いいことなんじゃないかな」。1年前は楽天伊藤裕にエスコン1号を打たれていたが、節目のエスコン100号は譲らなかった。

さらに珍しい勲章も加わった。3番では初アーチとなり、全打順本塁打という記録を達成した。しかも史上最年少という冠付きだ。この記録には「とても…はい…何ですかね…感想がないっす」と苦笑い。記録のことは知らず、意識もしていなかった。これも新庄監督が、いろんな打順で起用してきた“成果”と言える。指揮官は「僕に、なんかくれます? 」と冗談を交えながら「うまく打ちましたね」と称賛。昨季25本塁打とブレークし、ロマン砲から主砲に成り上がった背番号66が、頼もしい活躍で今季のエスコン初勝利をたぐり寄せた。【木下大輔】

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