ヤクルト青木宣親外野手(42)が、現西武監督の松井稼頭央(48)を抜いて日米通算2706安打を放った。6歳年上の偉大なる先輩の記録を抜いたことに「すごく光栄なことです」と喜びをかみしめた。

「2番右翼」で今季初のスタメン出場。2点を追う7回1死一塁。右腕岡留の3球目ツーシームに食らいつき、左翼線に二塁打を放った。1死二、三塁とチャンスを広げ、代走を送られてベンチに退いた。5回の第2打席でも左前打を放っていた。球界最年長44歳石川雅規投手から借りている「俺用になった」バットを自在に操り、今季初のマルチ安打をマーク。「とにかく自分のプレー機会に集中してやりましたけど、結果が出てよかった」と振り返った。

守備でも見せた。今季初の守備機会は、NPB公式戦で初となる右翼の位置だった。ボールの見方やフェンスの感覚、傾斜など「神宮という場所はたぶん一番守りづらい」と感じているが、名前をコールされるたびに沸きかえるスタンドの興奮が勝った。「自分も待ち望んでいたこと」と実感を込めた。

開幕から7戦を終えてチームは2勝4敗1分と最下位だが、元気バリバリ42歳は「まだ始まったばかり。とにかく自分たちがやってきたことをそのまま出すだけ。まだまだ先は長いですから、こんな時はみんなでやっていくことが必要」とベテランの口ぶりは頼もしいばかり。

高津臣吾監督(55)は「元気に頑張ってくれましたね」とたたえながら、「この年でまたスタメンで出るというところがすごい。一番すごいところは精神力。そこはもう誰にもまねできないものを持ってる。やっぱりチームをピリッとさせますよ」と大絶賛。42歳ベテランの活躍が、不調のチームに活力を与えることを願った。【平山連】

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