東撃ちはお任せあれ! 阪神前川右京外野手(21)が、12日のDeNAとのCSファーストステージ初戦(甲子園)のスタメンを勝ち取った。甲子園練習が行われた8日、岡田彰布監督(66)が「前川で行くよ」と明言した。相手の予想先発は左腕エース東克樹投手(28)。今季のリーグ戦で左腕相手の先発は8試合のみだったが、2年連続日本一を目指す短期決戦で抜てきされた。守護神・岩崎優投手(33)からも太鼓判を押された若武者が、今季限りで退任する指揮官の花道をバットで飾る。

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観客はゼロ。静寂に包まれた甲子園に快音が響いた。2日連続で行われたシート打撃の第1打席。前川が岩崎の3球目直球を振り抜くと、低く鋭い打球が右翼ライン際に弾んだ。「球を見られたので良かったです。昨日詰まったので、ちょっと前で打とうと思った」。4日後の大歓声を予感させる一打となった。

ケージ裏に座ってじっと見守った岡田監督は、練習を終えてきっぱり言った。「前川で行くよ」。大事なCS初戦。高卒3年目の若武者をスタメン起用することを明言した。

DeNAの先発は今季13勝の左腕エース東が予想される。プロ初対戦へ、若武者は「制球力も良く、追い込んでからのチェンジアップもすごいイメージ」と印象を語った上で「1球で仕留められるか、が大事になってくる」と思い描いた。

今季リーグ戦で83試合に先発出場したが、左腕相手は8試合のみ。右打者のノイジーや井上にスタメンの座を譲る機会が多かった。それでも今季の対左投手の打率は2割7分1厘で対右の2割6分8厘を上回る。「(体を)開かない、それだけはちゃんと気をつけてやってます」。左腕を苦にしているわけではない。

この日は強力リリーフ左腕2人と対決。桐敷との第2打席では遊直だったが、しっかり捉えた当たりだった。「2ストライク目のスライダーを打たないといけなかった」と悔しがるも、リハーサルはバッチリだ。

2年間見守ってきた今岡打撃コーチは「左でも関係なく打っていたからね」と納得顔。第1打席で痛烈な打球を浴びた岩崎も、CSでの活躍に太鼓判を押した。「多分1年目の時に鳴尾でやったことがあるんですけど、ちゃんと左も対応できる。あんまり肩が(開かない)、そんなイメージ」。前川が1年目の22年に対戦したシート打撃を思い返し、「前川選手に期待したいです」と声を大にした。

岡田監督のもとで花開いた高卒3年目。期待を受けて、成長の証しをバットに込める。【村松万里子】