日本ハム大谷翔平投手(20)が2日、たんす預金ならぬ「二刀流預金」の存在を明かした。プロ入り後は毎月、両親から小遣い10万円をもらっているが、物欲がなく大半は手を付けず。2年間で個人口座の残高は約200万円となった。外出も栗山監督の許可制が継続されており、無駄遣いは一切なし。この日も休むことなく2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で自主トレしたように、野球に誠実に向き合う姿勢が思わぬ副産物を生んでいた。

 球界のパイオニアは、想像以上の倹約家だった。大谷は、なぜか困ったように懐事情を赤裸々に明かした。「特に欲しいものもないので(お金は)たまっていく一方ですね」。現在、球団から毎月、今季推定年俸3000万円を12カ月で割った金額が振り込まれている。資金管理は岩手に住む両親に委任。小遣いとして月額10万円をもらうが、この2年間で「貯金は200万くらいになりました」と告白。極端な物欲の低さが口座残高を知らぬ間に押し上げていた。

 “リアル1カ月1万円生活”を貫いてきた。1カ月の必要経費は1万円前後だという。大枚をはたくのは年に1度、10万円のスーツを新調する程度。熱中する趣味もなく、寮生活で食費や水道光熱費も困らない。「外で食べても、おごっていただけることが多い。本当(お金を)使うところがない」。まれにコンビニなどで大好物のチョコやソフトクリームを購入するのが、ささやかな無駄遣いだ。

 栗山監督との約束も、貯金増を後押ししてきた。投打「二刀流」を推し進めるために約束した指揮官への外出許可制が、財布のヒモが緩む可能性をシャットアウト。野球に集中するためのルールが功を奏した。まさに「二刀流預金」が積み上がった。

 今オフの臨時収入も、即貯金へ回る。ジョージア魂賞の年間大賞に続き、前日1日は「スポーツニッポン

 フォーラム」でグランプリを受賞。ともに賞金は100万円で計200万円をゲットした。使い道は「特に考えていません」と当然のごとく無頓着。使う気はゼロで「賞金で生活できますよ」と、プライベート資金は充実するばかりだ。

 5日に札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨む。年俸1億円を超える提示を受ける可能性も高い。「後輩とか、一緒に食事へ行けたら。僕も、そうして(先輩におごって)もらったので」と今後は少しずつ周囲に還元していく考え。この日は鎌ケ谷で午前中から自主トレ。オフに入っても休みなしで練習する姿勢は、さらなる貯金の上積みを予感させた。【木下大輔】