元WBOアジアパシフィックフェザー級王者で、同級世界王座挑戦経験を持つ大沢宏晋(33=ロマンサジャパン)がWBA世界スーパーバンタム級7位ベルマー・プレシアド(30=コロンビア)に9回2分33秒、KO勝ちを飾った。戦績は34勝(20KO)5敗4分け。

伸びのいい左ジャブでペースをつかみ、要所で左ボディーを決めた。必死でクリンチを重ねる相手に連打でまとめに入ったところで、相手コーナーからタオルが投げ込まれた。

「60点ですかね。4、5、6回あたりはクリンチにつき合ってしまったし」という大沢だが、表情は明るい。「世界ランカーですから、タフやし、強かった。パンチも最後まで死んでなかったですから」と強敵を仕留めたことを喜んだ。

ボクサー人生を占う戦いだった。16年11月にWBO世界王座に挑戦し、オスカー・バルデスに7回TKO負け。前戦は今年4月で元WBA世界スーパーバンタム級王者久保隼に判定1-2のスプリットデシジョンで敗れた。「この1年半、ふがいなくて、応援してくれる人に申し訳なくて。きょう、しょぼい(試合を)したら辞めなアカンと思ってました」。久保戦以降、映像を確認。構えで両腕のガードが必要以上に上がりすぎていることを発見した。「年齢やないです。原因は構えにあったんです」と修正し、本来の動きが戻った。

9月に結婚した。「これからオレが支えていかなあかん。でも、彼女もめっちゃ気が強くて、ハッパかけられてます」。漫画「ハクション大魔王」の主人公の娘にちなんで命名された妻亜久比(あくび)さん(26)の存在が大きい。

手応え十分の勝利で18年を締めくくった。「これで久保に負けた分もチャラでしょ? 来年はもういっぺん、でっかい舞台で勝負します」と、元気なベテランが2度目の世界戦に照準を定めた。