開幕から4連敗だった棚橋弘至(44)、トーア・ヘナーレ(28)組がEVIL、高橋裕二郎(39)組を破り、初勝利を挙げた。

棚橋は人さし指で1のポーズを見せ「やっと1勝。すごく大きい1勝」とホッとした表情を見せた。ヘナーレも「この団体に初めて上がってから4年で一番大きな勝利だ」と興奮を抑えきれない様子で語った。

2人なら互角の戦いとなったはずだが、3人目の相手セコンドのディック東郷に苦しんだ。勝負どころになると邪魔をされ、流れを引き寄せられず。東郷がレフェリーの気を引く間に高橋がステッキを持ち出すなど、3人の連係プレーに、敗戦濃厚かと思われた。ところが終盤、棚橋がプランチャで場外のEVILと東郷2人を押さえ込んだ隙に、ヘナーレがTOAボトムからの片エビ固め。“2対3”の戦いを制し、待望の勝利をつかんだ。3カウントを奪ってくれた相棒に棚橋は「頑張っている。これを1つの形として体に染み込ませていくよ。サンキュー」と感謝した。

ヘナーレの来日が遅れ、今大会が8カ月ぶりの試合。初戦のO・カーンのパートナーを知らされていないというハンディもあり、いきなりつまずいた。さらにその対戦でO・カーンに痛めつけられた膝が癒えないまま5戦目を迎えた。負けが続いたが、2人とも気持ちは切れていなかった。前試合後、ヘナーレの「死ぬまでギブアップしない」という言葉に心打たれ、士気を再確認して挑み、初勝利につなげた。

大混戦のタッグリーグ。「いろんな意識を変えてくれるビッグウィンです」(棚橋)。「もっと強くならないとここで終わってしまう。俺には何があっても諦めない強い気持ちがある」(ヘナーレ)。残り4試合。流れをつかんだ2人が巻き返しを図る。