全勝の横綱白鵬(31=宮城野)が、西前頭筆頭の栃煌山(29=春日野)を今場所一番の厳しい相撲で破った。

 荒々しい立ち合いだったが、土俵下で勝負を見極めた審判部副部長の友綱審判長(64=元関脇魁輝)は、対戦相手のふがいなさを嘆いた。

 先場所も中盤以降に見せた、左で張って右でかち上げる厳しい立ち合いを、今場所初めて白鵬は見せた。これに同審判長は首をひねりながら「なぜ左、右と2つも食ってしまうんだろう。ふつうは1つ(受けただけでしのい)で終わるだろう」と苦言。その張り手も、この日の白鵬のそれは、手を栃煌山の顔の前にかざすだけのもので「顔をなでてるだけだ」と指摘。「(白鵬と対戦する)他の人たちに工夫がなさすぎ。横綱が一生懸命、工夫しているのになあ」と、他力士のふがいなさを嘆いた。