暴行問題が発覚した日馬富士が思わぬ形で休場した。初日から休んでいる鶴竜に続き2横綱が不在となり、3月の春場所から始まった17年ぶりの4横綱は看板倒れの状況に拍車が掛かった。

 2連覇を狙った日馬富士は初日から阿武咲、貴景勝と期待の若手に、まるでいいところなく連敗した。2日目の夜に伊勢ケ浜部屋宿舎で報道陣に「俺が休むと思って来たの? 期待に応えられなくて残念です。頑張りますよ」と笑みを交え、出場の意向を示した。3日目の朝も稽古を行ったが、問題が明らかになった後、左腕のけがを理由に休場した。

 先場所は昭和以降初めて3横綱が初日から休み、一人横綱の日馬富士が11勝4敗ながら優勝して最高位の面目を保ったが、事態は最悪な形で一転した。

 九州場所としては21年ぶりに15日間満員御礼が確実な一年納めの場所。角界が活況の中で、初日前日に八角理事長(元横綱北勝海)が「横綱全員が(直接対決まで)全勝でいくぐらいが理想」と期待した展開とは、かけ離れたものになった。