日本相撲協会は25日、大相撲初場所(来年1月10日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表し、白石改め東白龍(24=玉ノ井)の新十両昇進を決めた。リモートでの会見に出席した東白龍は「まだ実感がない。うれしい」と笑顔を見せた。

東洋大を卒業して19年夏場所に三段目最下位格付け出しでデビューし、所要9場所で関取の座をつかんだ。秋場所前に部屋で新型コロナウイルスの集団感染が発生し、東白龍を含めて玉ノ井部屋に所属する力士全員が秋場所を全休。コロナ禍の“救済措置”として番付は据え置かれ、2場所ぶりに出場した今場所は西幕下2枚目で4勝3敗と勝ち越した。「特例措置で据え置きにしていただいて、それを聞いてこれは絶対に上がらなきゃだめだなと思った」と、覚悟を持って臨んだ。

勝ち越しをかけた7番相撲は土俵際の攻防の末、行司軍配差し違えで白星を拾った。大学時代は団体戦で大将を務めることが多かったが、2対2で迎えた大将戦で負けた記憶はほとんどないという。「自分でも勝負強いと思う。(7番相撲は)やってやろうという気持ちの方が強かった」と、強心臓をアピールした。

突っ張り相撲を得意としているが、引き技で相手を呼び込む場面も多い。会見に同席した師匠の玉ノ井親方(元大関栃東)は「スピードが速い分、相手がよく見えているが、今後はもっと大きい相手とぶつかっていく。もっと体を大きくして全体的な力をつけないといけない。似たようなタイプだと千代大海関が突き押しでどんどん前に出ていた。ああいう突き押しをしながら、うまく回り込むセンスが(東白龍には)ある」と、自身が現役時代に対戦した突き押しの大関を引き合いに出して、さらなる成長を期待した。

平成8年度生まれで11月場所を制した大関貴景勝や平幕の阿武咲らは同学年にあたる。アマチュア時代に対戦した経験もあるだけに「自分は進学という道を選んで大学で(貴景勝と阿武咲を)すごいなと思っていた。追いつけるように頑張りたい。対戦してみたい」と意欲を示す。まずは関取デビューとなる新年最初の場所に向けて「とりあえずは勝ち越しで、欲を言うなら(十両)優勝したい」と力強く宣言した。