日本相撲協会は27日、東京・両国国技館で大相撲名古屋場所(7月12日初日・IGアリーナ)の番付編成会議を開き、嵐富士(21=伊勢ケ浜)の新十両昇進を決めた。都内の部屋での会見には、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱照ノ富士)も同席し、新関取誕生の背景にある自身の指導方針と、嵐富士への評価を明かした。

親方は「一人一人に合ったトレーニング、メニューっていうものに力を入れてきた」と説明。「細かい技を鍛えるのも一つの案かもしれないけど、まずは上の番付で戦える体作りがメイン」と、肉体強化を土台に据える考えを強調した。その上で、体の傾向やパフォーマンスの出し方は力士によって異なるとし「一人ずつ見てやっている。結果がこうやって現れているんじゃないかなと思います」とうなずいた。

自身はけがと病気で番付を落とした経験を持つ。現役時代は焦りもあり、場所後も休みなく自ら組んだメニューをこなし続け、体を戻して横綱にまで上り詰めた。ただ、その経験をそのまま弟子に当てはめているわけではない。「今はみんな場所後はちゃんと休んでいますよ」と笑顔で明かし、現在はトレーナーとともに力士ごとの状態を見ながら、毎晩一人ずつメニューを組み直しているという。

嵐富士については「稽古場でも必死に相撲を取れる」と評価。初土俵から新十両まで2年を要したことには「ちょっと遅かったんじゃないかな」としつつも「環境に慣れること、プロの世界に慣れることがまず一つ。勢いだけで上がっても、すぐ落ちていくのでは意味がない」と説明した。早い段階で確かな地力をつけて昇進させることを意識してきたといい「この稽古が自分に合っていると本人が実感した時に、一番はまったんじゃないかなと思います」と成長の要因を分析した。

これで部屋の関取は9人となり「番付が下の子たちが一枚でも二枚でも上がっていくのを見ると、自分自身も楽しいし、一生懸命取り組んでよかったなという気持ちになりますね」と部屋全体の底上げにも目を細めた。【山田遼太郎】

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