ハリウッド直送便

骨折、流血、顔面強打…体を張って演じるスターたち

人気スパイ映画「007」シリーズで6代目ジェームズ・ボンドを演じるダニエル・クレイグが、最新作「ボンド25」の撮影中に足首を負傷したとのニュースが飛び込んできました。「007」シリーズの記念すべき25作目となる本作は、先月からジャマイカで撮影がスタートしたばかりでしたが、クレイグはアクションシーンの撮影中に足を滑らせて転倒し、足首にひどい痛みを訴えたために撮影を中断して米国で治療を受けていると報じられています。けがの詳細は明らかにされていませんが、近日中に撮影に復帰するといわれており、現時点では来年4月の公開には影響がないものとみられています。「007 カジノ・ロワイアル」(06年)からボンド役を演じてきたクレイグにとって本作が最後のボンド役になるといわれていますが、撮影序盤での負傷に関係者はショックを受けているようです。

6代目ジェームズ・ボンド役のダニエル・クレイグ
6代目ジェームズ・ボンド役のダニエル・クレイグ

CGに頼らないリアルなアクションが魅力の同シリーズでは、体を張ってクレイグが自らアクションシーンも演じてきましたが、それは同時にけがと隣り合わせの危険な撮影でもあります。クレイグは今作も含めて出演したシリーズ5作品中なんと4作品でけがに見舞われているのです。最初の作品となった「カジノ・ロワイアル」では、プラハでの撮影中に顔面を強打して歯を2本損傷。さらに2作目となった「007 慰めの報酬」(08年)では肩の筋断裂と指先を切断する負傷を負って病院で治療を受けています。4作目「007 スペクター」(15年)では格闘シーンの撮影中に膝を負傷。そして今回のけがはそれまでに比べると軽傷だったとみられているものの、51歳のクレイグが全力でアクションシーンを演じるのは限界なのではないかとの意見もあります。しかし、ハリウッドでは現在56歳のトム・クルーズを始め、命がけで自らスタントをこなす俳優も珍しくはありません。スターでありながら自らスタントをこなしてクレイグ同様に負傷したスターは他にもいます。

離陸する飛行機のドアにしがみつくなど危険なスタントも自ら演じるクルーズは、「ミッション・インポッシブル:フォールアウト」(18年)の撮影でビルの屋上から隣のビルへと飛ぶシーンで失敗し、ビルの壁に激突。なんとか自力ではい上がったものの足首を骨折する重傷で撮影が中断されました。「モンスター」(03年)でアカデミー賞主演女優に輝いたシャーリーズ・セロンは、「イーオン・フラックス」(05年)の撮影中に脊椎を負傷する大けがを負った他、壮絶なアクションシーンがあるスパイ映画「アトミック・ブロンド」(17年)の撮影では歯が3本ひび割れるというけがを負いながらも撮影を続けたといわれています。また、ブラッド・ピットは、ギリシャ神話の英雄アキレスを演じた「トロイ」(04年)の戦闘シーンを撮影中にアキレス腱を断裂するけがを負っています。

他にもアクションシーンの撮影ではなかったものの撮影中に負傷したスターたちもいます。「スター・ウォーズ」シリーズでハン・ソロを演じてきたハリソン・フォードは、32年ぶりの復帰作となった「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」(15年)の撮影中に、宇宙船ミレニアム・ファルコンのセットで金属のドアに足を挟まれて左足を骨折する重傷を負いました。また、レオナルド・ディカプリオは非道な奴隷所有者を演じた「ジャンゴ 繋がれざる者」(12年)で怒ってテーブルを叩くシーンを撮影中に演技に熱が入りすぎたのかテーブルの上のグラスを叩き割り、その破片が手に刺さるけがを負ったものの流血しながらも演技を続けてその映像が本編でも採用となった他、ニコール・キッドマンは「ムーラン・ルージュ」(01年)の撮影中に膝を痛めてその後の作品を降板せざるをえなくなるなど影響が長引いたことがあります。

スクリーンでは見ることができない撮影中の苦労がたくさんあって映画は作られているのです。

【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)

◆千歳香奈子(ちとせ・かなこ) 1972年札幌生まれ。92年に渡米。96年に日刊スポーツ新聞社アトランタ支局でアトランタ五輪取材をアシスタント。99年6月からロサンゼルスを拠点にハリウッドスターのインタビューや映画情報を取材中。

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