東京・明治座で上演中の「祇園の姉妹」で剛力彩芽(24)が初舞台を踏んでいる。「祇園の姉妹」は1936年(昭11)に溝口健二監督、山田五十鈴主演で映画化された名作だが、その舞台版で剛力は、檀れい扮する芸妓梅吉の妹で芸妓のおもちゃ役に挑んでいる。ちなみに後に大女優となる山田は19歳でおもちゃを演じている。

 剛力いわく、初めての舞台、初めての京言葉、初めての芸妓役と「初めて尽くし」で、カーテンコールのあいさつでも「とても緊張しています」と話していたが、大健闘している。古風で一途な姉とは対照的に、ドライに損得勘定で動き、男たちを翻弄する役どころ。うまく演じないと、ただの嫌みな女になってしまうところを、剛力は姉を思う、しんの強い女として役作りし、あくまで強気で前向きに生きる姿には共感さえ覚えるほどだった。声もよく通るし、着物姿も様になっている。

 同じ芸能事務所「オスカープロモーション」の先輩である菊川玲は山本周五郎原作「五辧の椿」、米倉涼子は松本清張原作「黒革の手帖」で、いずれも明治座で初舞台を踏んでいる。米倉はミュージカル「シカゴ」のロキシー役でブロドーウェーの舞台にまで立ってしまった。かつては映像で活躍している人の初舞台と言えば、映像での人気が落ちて、舞台に転じるケースが多かったけれど、今は旬の俳優たちが積極的に舞台に進出している。映像とは違った舞台の魅力を感じているのだろう。初舞台にも臆せず、清新な魅力を発揮している剛力の今後の舞台にも期待ができそうだ。【林尚之】