舞台雑話

勸玄くん、丑之助、勘太郎ら子役の御曹司が大活躍

市川海老蔵(41)の長男堀越勸玄くん(6)が、東京・歌舞伎座「七月大歌舞伎」昼の部で父とともに出演している「外郎売」が評判を呼んでいる。歌舞伎十八番の一つで、市川宗家にとって大事な演目でもある。勸玄くん人気もあって、早々にチケットは完売。連日、客席は満員という盛況ぶりだ。

「外郎売」に出演した市川海老蔵(左)、堀越勸玄君(2019年7月4日撮影)提供 松竹(株)
「外郎売」に出演した市川海老蔵(左)、堀越勸玄君(2019年7月4日撮影)提供 松竹(株)

海老蔵演じる外郎売実は曽我五郎とともに貴甘坊役の勸玄くんが花道から登場すると、大きな拍手が起こった。「私の名前は堀越勸玄でござりまする」とあいさつした後、見せ場の早口言葉では、「アカサタナハマヤラワ~」「武具馬具武具馬具三武具馬具、合わせて武具馬具六武具馬具」などと約4分間に及ぶ早口の長ぜりふを完璧に演じきり、劇場はさらに大きな拍手と掛け声に包まれた。

実は父海老蔵が新之助を襲名した時に挑んだ「外郎売」を見ている。34年前のことで、その時、海老蔵は勸玄くんより1歳年上の7歳だったが、早口の練度、所作などを含めて勸玄くんに軍配を上げたい。

早口言葉だけでなく、その舞台ぶりにも目を見張った。花道を歩く姿にぶれはなく、立ち回りでも相手の動きをしっかりと見て、堂々としている。親子そろっての見えでも、首や目の動きにも迷いがない。体幹が鍛えられているのだろう。それで、まだ6歳というのだから、驚きでもあり、このまま順調に育ってほしいと思った。

海老蔵も初日のブログで「この人、すごいです。見てほしいです。もうとまらない」と投稿し、8日にも「形が気になるようで、教えて欲しいと、終わってからお稽古です。意識あるので、うれしいです」とつづった。6歳の子供が自ら稽古志願するあたりにも、感嘆するしかない。

勸玄くんに限らず、同世代の御曹司の活躍が目覚ましい。市川右団次の長男右近(9)は放送中のドラマ「ノーサイドゲーム」に大泉洋の長男役でテレビ初出演し、今年5月には尾上菊之助の長男が尾上丑之助(5)を襲名している。尾上菊五郎の孫で、寺島しのぶの長男真秀くん(6)、中村勘九郎には勘太郎(8)長三郎(6)兄弟がいるし、中村獅童の1歳7カ月の子供も控えている。

彼らの親世代が幼い頃、歌舞伎界は低迷していた。そのため、子役として出演する機会も少なかった。しかし、今は、歌舞伎人気が定着し、歌舞伎を上演する場所も増えている。かつて、18代目中村勘三郎や10代目坂東三津五郎が子役時代に、「白浪五人男」を子供たちだけで上演したことがあった。子役の御曹司がそろう今こそ、勸玄くん、丑之助、勘太郎らの「白浪五人男」を見てみたい気がする。【林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)

華やかな舞台、輝く役者。夢の世界であると同時に、そこには舞台裏とさまざまな人間模様もあります。演劇、演芸について、林尚之記者がさまざまな切り口から伝えます。あなたも、演劇の世界がきっと好きになります。

おすすめ情報PR

芸能ニュースランキング