うねる肢体に不敵な微笑。妖艶なダンスが男をとりこにする。米ニューヨークのナイトクラブで働く若きストリップダンサー、アニーことアノーラ(マイキー・マディソン)が主人公の物語だ。

ロシアの新興財閥(オリガルヒ)の御曹司イヴァンと出会い、7日間の契約で性の相手をするうち、親しくなって電撃結婚するも、ロシアにいるイヴァンの両親が猛反対。結婚を阻止すべく屈強な男たちを送り込み、巻き起こる大騒動をコメディータッチで描いた。

「プリティ・ウーマン」のようにセックスワーカーのヒロインが淑女へと華麗に変身する、そんな王道のシンデレラストーリーではない。過去作でも社会の片隅に暮らしている人々を取り上げ続けてきたショーン・ベイカー監督がアノーラのパワフルな生きざまを通し、偏見や抜け出そうと思っても抜け出せない格差を浮き彫りにした。

今年のアカデミー賞で作品賞、主演女優賞、監督賞など6部門にノミネートされている注目作品。どうしようもないことはいっぱいあるけど、中指を立てて「ふざけんな!」。主演女優賞候補が難役を気高く、たくましく演じている。【松浦隆司】

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