人気漫画を舞台化した宝塚歌劇団の雪組公演「浪漫活劇 るろうに剣心」の原作者、和月伸宏氏が同舞台を観劇し、できばえを高く評価している。12日、同公演の演出を担当した小池修一郎氏が明かした。

 小池氏によると、和月氏は初日に上演を見て「ひじょうによかった」と笑顔で感想を語ったという。

 同公演は、和月氏のヒット漫画「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」をもとに、小池氏がオリジナルの設定を入れミュージカル化。昨年は「ルパン三世」の舞台化を成功させた同組トップ、早霧(さぎり)せいなが人気キャラクターの「るろうに(流浪人)」こと、緋村剣心を好演している。

 宝塚版には2番手スター望海風斗(のぞみ・ふうと)演じる元新選組隊士の加納惣三郎をオリジナルのキャラクターに加え、陰の部分を演出。望海ふんする加納との対比から、早霧は幕末に恐れられた「人斬り抜刀斎」の剣豪の顔と、明治の世になり全国を放浪する「流浪人」としての姿を演じ分けている。

 小池氏は早霧について「矛盾を感じさせない芝居の“つなぎ”がうまい」と言い、雪組メンバーの熱演にも手ごたえ。原作の和月氏も「(宝塚版の)加納惣三郎を入れて(自分が漫画に)書きたくなった」と、自らが触発されたと話したほど、感激していたという。

 また、同公演では現在、主要キャストの1人を演じていた彩凪翔ら6人が休演しているが、小池氏はこれについて「インフルエンザが流行しており、休演が多くなっている」と説明した。充実の雪組公演だけに、6人の復帰が待たれる。