テレビ朝日の宇賀なつみアナウンサー(31)が、セクハラ撲滅を訴える女性議員を揶揄(やゆ)する発言をした自民党の長尾敬参院議員を批判した。

 福田淳一財務事務次官のセクハラ疑惑をめぐり野党の女性議員が20日、黒い服を着て「#MeToo」と書かれたプラカードを掲げて財務省に抗議を行った。長尾議員はその女性議員らの写真を自身のツイッターで取り上げた上で、「セクハラはあってはなりません。こちらの方々は少なくとも私にとって、セクハラとは縁遠い方々です。私はみなさんに、絶対セクハラは致しませんことを宣言致します!」などとツイートした。

 閲覧者から「その発言こそがセクハラだ」との批判が集中。長尾氏は投稿を削除し、自身のホームページで「写真に掲載されている女性議員の皆様に、心からおわびを申し上げる」と謝罪した。

 23日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」は長尾議員の発言を取り上げ、メインキャスターの羽鳥慎一は「乱暴な言い方をすると、『あんたたちに(セクハラ)しないよ!』っていう、女性蔑視と言うかそういうこと」と解説。住田裕子弁護士は「『女性として見られないような方々である』と。そういう意味でも女性蔑視」だとした。

 宇賀アナは、「これがセクハラ問題の根本的なところを表していますよね」と指摘。「『こういう被害に遭った』って言うと、『お前が?』『自慢?』とか言われちゃう。それでさらに傷つくことが簡単に想像できるからみんな言いづらい、言えなくなってる」とセクハラ被害を受けた女性が声を上げにくい現状を訴えた。