東京・歌舞伎座「六月大歌舞伎」が2日、初日を迎えた。夜の部「夏祭浪花鑑」では、中村吉右衛門(74)が、四女の夫である尾上菊之助(40)、菊之助の長男寺嶋和史君(4)と親子3代共演している。

 同演目で、吉右衛門と菊之助は、団七とお梶という夫婦役、和史君は息子の市松を演じている。和史君が大きな声でせりふを言うたび拍手が起こり、3人そろって花道を引っ込む場面では一層大きな拍手が送られた。

 吉右衛門は「孫というのはかわいいもの。孫の和史と初めて一緒にお芝居をしますので、とても楽しみです」と語っている。

 和史君は2年前に初お目見えし、今年3月にはせりふのある役に初挑戦した。菊之助は「息子も芝居が好きになってきたのですが、一緒の舞台に出るのは緊張感がありますね」。

 昼の部では、尾上菊五郎(75)が「野晒悟助」を20年ぶりにつとめている。2人の若い娘からほれられる侠客(きょうかく)役について、菊五郎は「気持ちのいい役です。自分はいい男なんだというはらで、照れずにやる役」と話している。26日まで。