昨年のTBS系ドラマ「君の花になる」への出演で話題を集めた、ソロアーティストNOA(23)が、22日に初の写真集「Youth」(宝島社)を発売した。BLACKPINKなどが所属する韓国の大手事務所の「YGエンターテインメント」練習生の経歴も持ち、アーティストとしての評価も急上昇中だ。このほど取材に応じ、写真集のことや「日本を代表できるアーティストになる」という夢を語った。【佐藤勝亮】
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NOAの初写真集がついに発売された。
「念願の写真集がついに出せるってうれしいですね。僕自身いろんな写真集を見てきて、いずれ自分も出したいなっていう思いがあったので、すごく率直にうれしかったです。写真集って、すごいオリジナリティーが出るなって思っていたので、自分のカラーをどう出せるかワクワク感みたいなものがありましたね」
テーマは「1人旅」。撮影地には“第2の故郷”である韓国・ソウルを選び、7月上旬に約4日間で撮影した。
「最近ソウルってすごくトレンドで、雑誌とかに載ってるとは思いつつも、僕が住んでいた第2の故郷なので、僕にしか見せられないソウルっていうものが多分あるんじゃないかなと思って。あとは、僕のオリジナリティーが作られた場所でもあり、だからこそ見せられるものがあると思ったのでソウルに決めました」
題名は「青春」という意味を込め「Youth」にした。約6~7年ほど生活した韓国だが、当時と今では見える景色が違ったという。それは漢江を見た時に感じた。
「漢江は本当に、つらい時も楽しい時も過ごした場所で。1人で行ってたそがれたり、週末に練習生の友達とコンビニでラーメンを買って食べたりとか。本当にいろんな思い出がある場所です。当時はいろんな不安とかもあったんですけど、今は先の未来に対してもっと鮮明になって、自分が見えるビジョンが変わってきたので、そういった意味では景色の見え方が違ったのがすごい驚きましたね」
具体的に何が変わったのか。
「当時は1つの景色を見てても、1つのことしか考えられなかったとしたら、今はすごく落ち着いて、いろんなものが見えるというか。当時は本当に景色にあまり集中できなかったんですけど、今は改めてやっぱこの景色きれいだなとか。思い出を振り返ることもできるし、先のことも見えるし。ちょっと心の余裕が生まれたのかなと思いました」
NOAは「BIGBANG」に憧れ12歳で韓国に単身で渡った。そして聖地巡礼のつもりで訪れた美容室で、担当ヘアメークにスカウトされ、BLACKPINKなどが所属する韓国の大手事務所の「YGエンターテインメント」の練習生になった。その後6~7年グループとしてのデビューを目指し練習に励んだが、帰国の道を選んだ。
「正直、今思うとすごくただただ楽しかったっていう思い出でいっぱいですね。でもよく考えると、いろんな壁もありましたし、体的にもメンタル的にもやられたことはたくさんあるんですけど…でもそれが10代でできたからこそ、今の自分の基礎となってて。本当にあの時代がなかったら、多分今こうやって自分がソロアーティストとしてできていないなっていうのがあるので。仲間と過ごした青春時代としての思い出もかけがえないですし、今の自分のいろんな基礎となってて。絶対に忘れちゃいけない時間だなと思っています」
練習生時代にはダンス、語学などの基礎を徹底的に習得。毎月末に行われる、退社などを判定される「月末評価」に向け、作詞作曲なども学んだ。そしてある日、ソウルで行われたONE OK ROCKのコンサートを見て帰国を決めた。
「僕自身グループしか考えていなかったんですけど、いろんなソロアーティストさんを知ったり、自分自身で作詞作曲ができるようになって、自分1人での可能性が広くなっていきました。本当に(グループで)デビュー寸前まで行ったけど、できなくての繰り返しで、熱みたいなものが冷めてしまって。ただ、ソロとしてデビューしたいっていう気持ちが芽生えてきて。その気持ちの時に、ONE OK ROCKさんのコンサートをソウルで見て、本当に衝撃を受けたというか。日本の方でも海外でこんな活躍されている方がいるんだっていう驚きと、そこにすごく憧れが生まれて。その後、決心がすぐできました」
18年に帰国し、20年1月より本格的に音楽活動開始。21年にメジャーデビューした。そして昨年のTBS系ドラマ「君の花になる」の劇中で結成された、7人組ボーイズグループ「8LOOM(ブルーム)」の1人として活動し、人気にさらに火が付いた。
「正直僕自身は、僕たちの人気に対してあまりにも実感がなかったんですよね。あまりにも目の前のことが変わりすぎちゃって、驚きであまり追いつけなかったというか。ドラマが終わってソロ活動をしながら、『8LOOMの反響がすごかったですよね』とか、ドラマのおかげで知ってくださった方がいるっていうのを終わってからやっと感じ始めて。外を歩いていても、ちっちゃい男の子とか女の子が、『NOAくんのファンです』とか声をかけてくださったりとかしています」
自分が「BIGBANG」に憧れ夢を持ったように、「誰かから憧れられるくらい、すごい存在になりたい」と話す。9月9~10日には、自身初のアリーナクラスとなる「有明アリーナ」でライブを行うなど、着実に成長している。そしてバンコク、ソウルなどでアジアツアーを行うほど海外にもファンが多い。
「次はアリーナツアーをやりたいですね。今回アジアツアーもやらせていただけて、いろんな海外のファンの方がいるっていう認識ができてすごく幸せだったので、行った国でも行けていない国でも、いろんな会場でもっといろんな人を集めてライブがしたいですね。いずれはワールドツアーにつながればいいなと思っています」
次に写真集が作れたら「ニューヨークで撮りたい」と笑顔を見せた。英語、日本語、韓国語が話せ、作詞作曲、振り付け構成も完璧にこなす。さらには俳優としても活動しており、今後の活躍にも期待がかかる。
「日本を代表できるアーティストになるというのは、僕の中ではすごく大きな目標ですね。それが、海外のいろんなアーティストとコラボすることとか、海外でライブをするとかもそうですけど、あくまでも日本でちゃんとしたベースがあって、そこからより世界に日本人として届けられるようなアーティストになりたいなっていうのは常に思っています」