英国のヘンリー王子(39)が7日、自身が設立した負傷兵士らのための国際スポーツ大会インビクタス・ゲーム10周年を記念した式典を前に英ロンドン入りした。滞在中、父であるチャールズ国王(75)と面会する可能性が取り沙汰されていたが、王子の広報担当者は国王の多忙を理由に「会う予定はない」と声明を発表。がん治療中の国王と「すぐに会えることを望んでいる」とコメントしている。

王子は国王との面会のために1カ月以上前から連絡を取っていたと、米ニューヨーク・タイムズ紙は報じている。妻メーガン妃(42)と2人の子どもたちは同行しておらず、滞在中は市内のホテルに宿泊すると伝えられている。

王子は8日にセント・ポール大聖堂で行われる式典への参加が予定されているが、式典には兄ウィリアム皇太子を含む英王室の上級メンバーは出席しないとされている。国王は同日、バッキンガム宮殿で開催されるガーデンパーティーへの出席を予定しているが、午後6時以降のスケジュールは空いていると英メディアが報じていた。

米ニューヨーク・ポスト紙は7日、英王室史専門家で王室との親交も深いヒューゴ・ヴィッカーズ氏の話として、「国王は息子に会おうと思えば簡単に会えた」と報道。同氏は「国王は朝食を含めて次男との時間をつくることはできた」と話し、スケジュールの都合で会う時間がないとの主張を否定した。

一方で、父子の和解の可能性については、「国王は王子に対して扉を開いたままにしているが、それほどは広くないと」とコメント。「和解のきっかけを作るために会うのは良い考えだ」と話し、彼らはスケジュールを詰め込んだり、物事をやりくりしたりすることは簡単にできると述べている。

王子は、今年2月に国王ががんを公表した直後に緊急帰国し、30分ほど面会している。今回の訪英中に3カ月ぶりの再会が実現するのではないかと欧米メディアが伝えていた。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)