先週、「開幕週だけ自分が函館です」とメールを送ってきたのは、日刊スポーツ競馬デスクの元本紙T。競馬記者にとって夏の函館開催は特に心躍るシーズンですが、普段は内勤のTが函館出張に行く機会に恵まれたのですから、燃えないわけがありません。開幕週の今週は好感度抜群の笑顔と巧みな話術で多くの特上ネタをつかんだはず。「ダービーですっからかんの財政を函館で立て直しますよ!」と気合パンパンなだけに、Tの今週の函館予想&コラムは必見です!
それはさておき、函館出張が心躍る理由の一つは、デビューを控えた2歳馬をそれこそ全頭、出張馬房でくまなく取材できること。担当の調教助手や厩務員の方々も期待を胸に新馬を仕上げてきますから、馬券に直結するいい取材ができるのです。振り返れば、今から36年前の1990年、競馬記者デビューしたばかりの私が初めて函館に長期出張(当時は札幌→函館の順で、2カ月ずつの開催でした)した際の最初の新馬戦が衝撃的でした。
何せバクチの怖さを知らない若造でしたから、函館取材で確信を得た快速牝馬ミルフォードスルーの単勝(1・8倍)に50万円の仮払い(事前に渡される出張旅費)をそっくり投入。結果は5馬身差の圧勝ですから、「競馬は簡単」と大きな勘違いをしたことで、現在の悲劇(ドツボ)に至っています。同馬は続く函館3歳S(現2歳S)も逃げ切りますが、半馬身差の2着がマルゼンスキーの再来と言われた、あの外国産馬リンドシェーバー(同年の朝日杯3歳S覇者。6戦4勝2着2回で引退)ですから、物忘れが顕著な今でも強烈に印象に残る函館出張でした。
開幕週の初日メインは函館スプリントS。ここはTの老獪(かい)な取材力を信頼して、Tの本命馬に有り金勝負(単勝)。とはいえ目下、人生最大の金欠につき、函館滞在中のTにテッポウ(紙馬券の購入依頼)を打とうか迷っていいます。まさか、函館競馬の開幕を前に、函館競輪ですっからかん、なんてことはないと思いますが……。酒とギャンブルが命のTだけに、かなり心配です(笑い)。



