坂井瑠星騎手(28)はデビュー10年目の今年、フォーエバーヤング(牡4、矢作)でサウジCを制し、現在リーディングトップと躍進している。10年前に今の活躍を予見していたのか、そして38歳の自分は…。今回の「ケイバラプソディー~楽しい競馬~」は、大阪のマイク(藤本真育)記者が、節目にも成長を止めない28歳の過去と未来に迫った。
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坂井騎手が描く未来図は無限の可能性を秘めている。もしかしたらジョッキーではないかも。そんな夢想さえ膨らむという。
「10年後どこで乗っているのか、なにをしているのか、そもそもジョッキーをやっているかすらわからないです。なにをしているんだろうな…」
今年2月、フォーエバーヤングと勝ったサウジCは、レース自体が10年前にはなかった。日本でデビューして、初G1騎乗がまさかオーストラリアのコーフィールドC(18年10月ソールインパクトで14着)とは思わなかった。予期せぬことが起こるから人生は面白い。だからこそ、未来に希望がわいてくる。
「10年後の自分は想像もつかないです。ただ、勝ちたいレースを全部勝ち、やりたいことがなくなって、なにか新しい目標があったらと思います。あとは、結婚して子どもがいて、お父さんになっていたらいいですね」
デビュー10年目の今、活躍の場は世界に広がる。10年前には想像できていなかった立ち位置だ。15年、平成27年の夏は競馬学校生として、札幌競馬場の検量室で福永祐一騎手のバレット(騎手の手伝い)を務めていた。福永騎手とは食事をともにするなど多くの時間を過ごした。騎手としての心構えなど、語られた教えはすべてメモに残し、今でも見返すことがある。心に残る「5年後、10年後にどうなっていたいかを常に考える」という言葉が、今の自分を作る礎になっているのかもしれない。
漠然と「デビューして5年後にG1を勝ち、10年後にトップに」と目標を決めた。すべてかなえたわけではないが、濃密な10年間を過ごす上で指針となった。
「これまでの10年で他の人にはできない経験を世界中でさせてもらいました。これからの10年はそれを発揮していく期間だと思っています。7年後には矢作厩舎はありません(32年2月末で矢作師は定年のため)。矢作先生にはたくさん迷惑をかけました。これからを恩返しする時間にしていきたいです」
今秋はシンエンペラーで凱旋門賞(G1、芝2400メートル、10月5日=仏パリロンシャン)、フォーエバーヤングと挑むBCクラシック(G1、ダート2000メートル、11月1日=米デルマー)など海外でもビッグレースが多く控えている。「ひとつひとつ結果を出せるようにいつも通りにやっていきます」。騎手・坂井瑠星の物語は、この先もワクワクさせられる“傑作”に違いない。
(ニッカンスポーツ・コム/競馬コラム「ケイバ・ラプソディー~楽しい競馬~」)
◆今週の坂井騎手 世界のトップジョッキー12人で競う英国のチーム対抗戦「シャーガーC」(9日=アスコット)に初出場する。アジア、欧州、英愛、世界選抜の4チーム(各3人)による対抗戦で、同じアジア選抜には岩田望騎手も選出されている。





