24日(土曜)に行われたG1トラヴァーズS(ダート2000メートル、サラトガ)はジョン・ヴェラスケス騎手の乗る2歳王者フィアースネス(牡3、T・プレッチャー、父シティオブライト)が、紅一点のソーピードアンナの猛追を頭差振り切って優勝。天下分け目の一戦を制して、再び世代トップに返り咲きました。
ケンタッキーダービー馬のミスティックダン(ベルモントS8着)とプリークネスS優勝のシーズザグレイ(ベルモントS7着、ジムダンディS4着)の参戦こそなかったものの、ほぼベストメンバーとなった一戦を制したことで、フィアースネスの評価は上昇。11月2日(土曜)に行われるBCクラシック(G1、ダート2000メートル、デルマー)の前売りオッズ(8月27日現在)では、21日の英インターナショナルSに勝って、米国挑戦を決めたシティオブトロイ(牡3、父ジャスティファイ)の4・0倍から5・0倍に次ぐ2番人気(4・0倍から7・0倍)に浮上しています。
日本から挑戦が予定されるフォーエバーヤング(牡3、矢作、父リアルスティール)は6・0倍から11・0倍の3番人気に後退しましたが、依然、有力馬の一頭。昨年の2着馬デルマソトガケは17・0倍から21・0倍、ウシュバテソーロは13・0倍から26・0倍で、地元古馬の1番手はホイットニーSを制した4歳牡馬のアーサーズライド(9・0倍から11・0倍)と見られています。
フィアースネスは父がペガサスワールドカップ招待S、BCダートマイルなどG1・4勝のシティオブライト。母のノンナヴェラは北米2勝で、その半兄にはG1ウッドメモリアルS(ダート1800メートル)に優勝し、種牡馬になったアウトルック(その父アンクルモー)がいて、近親にはG2ホーリーブルS(ダート1700メートル)など重賞2勝で、こちらも種牡馬として活躍中のカイロプリンス(父パイオニアオブザナイル)の名前が見られます。
昨年8月にサラトガ競馬場のダート1200メートル戦でデビューしたフィアースネスは、これを11馬身半差で圧勝。2戦目で臨んだG1シャンパンS(ダート1600メートル、アケダクト)は断然の1番人気(単勝1・55倍)の支持を集めながら、直線で急失速。勝ったティンバーレイクから20馬身以上遅れた7着となりました。鞍上をイラッド・オルティス・ジュニア騎手からジョン・ヴェラスケス騎手に代えて臨んだBCジュベナイル(G1、ダート1700メートル、サンタアニタパーク)は単勝17・5倍の6番人気(9頭立て)に評価を下げましたが、フィアースネスはこれをあざ笑うように爆走。2番手追走から直線入り口で先頭に立って、横綱相撲を披露。G1アメリカンファラオSを制したムースに6馬身4分の1差をつけて米国2歳牡馬の頂点に立ちました。
3歳初戦となった2月3日(土曜)のG3ホーリーブルS(ダート1700メートル、ガルフストリームパーク)は休み明けも微妙に響いたか、伸びきれず。勝ったハデスに3馬身半差の3着に終わりました。この敗戦で、またも人気を落としたフィアースネスでしたが、4月6日(土曜)のG1フロリダダービー(ダート1800メートル、ガルフストリームパーク)では、直線入り口からエンジンを全開にすると、後続を見る間に突き放し、2着に13馬身半差をつけて圧勝。最も栄冠に近い馬として晴れの舞台に駒を進めました。
まだ、記憶に新しい5月4日(土曜)のケンタッキーダービー(ダート2000メートル、チャーチルダウンズ)は不利な外枠(20頭立て16番枠)から強引に先行して、見せ場をつくったものの、さすがに苦しくなって直線入り口でギブアップ。馬群に沈んで15着に終わりました。
ここまで6戦3勝、勝った時の着差の合計は約31馬身、負けた時のそれは約48馬身という落差が逃げ馬の脆さを浮き彫りにしていました。
トッド・プレッチャー調教師はケンタッキーダービー後を休養に充てて残る二冠をパス。約80日の間隔を空けて臨んだ7月27日(土曜)のG2ジムダンディS(ダート1800メートル、サラトガ)では4コーナー先頭から直線も手堅くまとめて、追い上げるシエラレオーネを完封。力任せの競馬から、鞍上と折り合ってスタミナを残す手堅いレーススタイルへと変身を遂げました。
フィアースネスは、ブリーダーズカップクラシックへ直行する模様。1984年に創設されたブリーダーズカップで、まだ成し遂げた馬のいないジュベナイル優勝馬によるクラシックの制覇に挑みます。
(ターフライター奥野庸介)
※競走成績などは2024年8月29日現在



