日曜の香港国際競走を騎手から見ると、どうなるのか。ここでは筆者が注目する4人の腕利き騎手<ジェームス・マクドナルド、ライアン・ムーア、クリストフ・スミヨン、オイシン・マーフィー>が騎乗する馬から、脈のありそうな馬を探ってみたいと思います。


【ジェームス・マクドナルド】

・ヴァーズ(バンドルアワード)

・スプリント(ファストネットワーク)

・マイル(ギャラクシーパッチ)…脈あり

・カップ(ロマンチックウォリアー)…確勝

ロマンチックウォリアーとのコンビで香港でも人気の高い“ジェイマック”ことジェームス・マクドナルド騎手は4競走すべてに騎乗します。カップは負けられない一戦になりそうですが、この他ではギャラクシーパッチで挑むマイルに注目です。

前哨戦のジョッキークラブカップは約1年1カ月ぶりの勝利。久しぶりに装着したブリンカーが効果を発揮し、最内を突き抜けて鮮やかに勝ちきりました。今回も深めのヴァイザーを装着、いつも通り舌を縛って出走します。前走のブリンカー装着はマクドナルド騎手の勧めによるものと聞きます。他馬を怖がる弱点が矯正されれば、ここでも好勝負になるはず。馬券に加えておきたい1頭です。


【ライアン・ムーア】

・ヴァーズ(ロスアンゼルス)

・スプリント(サトノレーヴ)…大逆転期待

・マイル(ザライオンインウィンター)…脈あり

・カップ(なし)

水曜の国際騎手選手権で優勝。療養明けもなんのその、鮮やかなカムバックを演出しました。籍を置くエイダン・オブライエン厩舎はロスアンゼルスとザライオンインウィンターを参加させますが、この2頭ならザライオンインウィンターでしょうか。10月18日のクイーンエリザベス2世Sで2着して渡米、11月1日のブリーダーズカップマイルでは勝ち馬から約1馬身半差の3着に頑張りました。クラシック候補として騒がれた春先から比べると、ずいぶん小粒になってしまいましたが、人気もさほどないようなので馬券に絡めば、いい配当になりそうです。勝負はサトノレーヴでカーインライジングに挑むスプリント。勝つのはかなり難しそうですが、鞍上の手腕で大逆転を期待したい。


【クリストフ・スミヨン】

・ヴァーズ(ゴリアット)

・スプリント(なし)

・マイル(サンライトパワー)

・カップ(キジサナ)…善戦可

けがで不在だったライアン・ムーア騎手に代わってクールモアの主戦となって重責を果たしたクリストフ・スミヨン騎手。今年はフランシス・アンリ・グラファール厩舎のゴリアットとキジサナ、地元イウ厩舎のサンライトパワーで3つのG1に挑みます。サンライトパワーはこの春のG1チャンピオンズマイルで初コンビを組んで単勝60倍で3着し、ファンをあっと言わせましたが、ここではさすがに力不足は否めず。ゴリアットのブリーダーズカップターフの負け方を見ると、カップのキジサナに魅力を感じます。ロマンチックウォリアーを負かすまではいかないでしょうが、ここ3戦はG1で1、9、3着と堅実。凱旋門賞は相手が強く、着外でしたが、前走のG1英チャンピオン・フィリーズ&メアズSは強豪カルパナの3着に善戦。2着馬とは差がありませんでした。鞍上の助けがあれば馬券圏内が望めそうです。


【オイシン・マーフィー】

・ヴァーズ(エイドン)…穴中の穴

・スプリント(カーデム)

・マイル(なし)

・カップ(なし)

転んでもただで帰らないのがマーフィー騎手。参加する2頭はともに人気薄ですが、ヴァーズのエイドンに穴気配が漂います。昨年はジアヴェロットに騎乗して、優勝を飾りましたが、今年、ジアヴェロットはアンドレア・アッゼニ騎手で参戦。マーフィー騎手は英国のボールディング厩舎の6歳馬エイドンで挑みます。前走イタリアに遠征してG2ジョッキークラブ大賞の優勝をステップに香港入り。マイペースに持ち込めればしぶとく粘るタイプです。鞍上は心ひそかに連勝を狙っているのではないでしょうか。スプリントのカーデムは下半期、米国で3戦して3、1、3着と頑張りましたが、もうすぐ10歳になるベテラン。カーインライジング相手では厳しそうです。

(ターフライター奥野庸介)

※競走成績等は2025年12月12日現在