ロンドンで行われたパラ陸上の世界選手権は23日に閉幕した。日本パラ陸連によると、過去最多となる16個のメダルを獲得。昨年のリオデジャネイロ・パラリンピックでは金メダルがなかったが、海外の有力選手が出場を回避した種目もあり、金2、銀5、銅9と成果を挙げた。

 今大会で日本の金メダル2個をたたきだしたのは27歳の佐藤友祈(WORLD-AC)。車いすを用いるT52クラスの400メートル、1500メートルで2冠を達成した。走り幅跳び(切断などT42)で3連覇を目指した山本篤(スズキ浜松AC)は6センチ差で銀メダル。辻沙絵(日体大大学院)は女子400メートル(切断などT47)でリオに続く銅メダルを取った。他にも実力のあるベテラン選手が取りこぼすことなく、表彰台を確保した形となった。

 ただ、東京パラリンピックを見据えると、若手選手の台頭は少なかった。女子走り幅跳び(切断などT42)で19歳の前川楓(チームKAITEKI)が銀メダル、男子三段跳び(切断などT47)で23歳の芦田創(トヨタ自動車)が銅メダルを獲得したものの、30代以上の活躍が目立った。

 さらに、東京大会では陸上の種目変更が予定される。国際パラリンピック委員会の実施案では、佐藤が金メダルを取った2種目やリレー種目は削除される見通しという。日本の小林順一監督は「決まった種目で努力するしかない。リレーの存続は訴えるが、どうなるかは分からない」と話した。