女子SU5(立位・上肢障害)世界ランキング1位の鈴木亜弥子(30=七十七銀行)は黒星スタートとなった。シングルス1次リーグで楊秋霞(19=中国)に17-21、15-21でストレート負け。第2日の8日に対戦するホランデル(オランダ)戦に決勝トーナメント進出をかける。

 因縁の相手だった。昨年のアジア選手権決勝でフルゲームで敗れたのが楊だった。「あの敗戦でたくさんのことに気づきました」と振り返っていた。09年の世界選手権、10年にはアジアパラを制して引退。20年東京パラリンピック開催が決まったことで、昨年から本格的に現役復帰した。楊戦をきっかけに長いブランクで失った体力、試合勘を取り戻すべくトレーニングを積んだ結果、今年6月に世界1位の座に就いた。

 「去年から、さらに大きな差がついてしまいました。彼女のシャトルには勢い、スピードがあった。私が甘かったんだと思います」と、女王の口から出るのは反省の言葉ばかり。2ゲームとも序盤はリードしながら中盤で追いつかれ、競りながらも最後は連続失点で突き放される展開。第1ゲームの途中ですでに疲労を感じていたという。

 8日、1敗で並ぶホランデルを破れば決勝トーナメントに進める。勝ち上がれば決勝で再び楊と対戦できる組み合わせだ。「負けたけど、悔しいけど、戦っていて楽しかった。決勝で勝って、金メダルを取れるように頑張ります」。鈴木が意地を見せる。