日本対チリ チリに敗れ、疲れたような表情で引き揚げる森保監督(撮影・河野匠)
日本対チリ チリに敗れ、疲れたような表情で引き揚げる森保監督(撮影・河野匠)

開始2分で違和感があった。DFラインと中盤の距離が異常なほど間延びしている。森保監督は縦のラインがコンパクトで、巧みなDFラインのコントロールが生命線なのに、こんなに間延びした試合は見たことがない。「このまま行くと後半が大変」と思ったが、予想通り終盤に足が止まり、失点を重ねた。

理想はDFとMFの距離は8メートル程度。最前線からDFラインまで25メートル程度だ。しかしチリ戦はDFとMFの間が15メートルも開いていたし、FWまで40メートルも開いた時間帯もあった。おそらくラインをコントロールするはずの植田が、サンチェスやバルガスに圧力を感じたのだろう。背後に走り込まれることを嫌って、前線がプレッシャーに行ってもラインを上げなかった。

間延びすると、DFとMFラインの間で相手は攻撃の起点を作りやすくなる。それをつぶすため、MFとFWが自陣に戻る距離も長くなるし、この積み重ねでどんどん体力が奪われる。ハーフタイムで森保監督は修正したはずだが、実際は最後まで間延びしたままだった。日本が格下相手に後半に点が取れるのはこの構図からだが、チリ戦は逆にやられてしまった。(日刊スポーツ評論家)

日本対チリ 前半、プルガル(左)にボールを奪われる久保(撮影・河野匠)
日本対チリ 前半、プルガル(左)にボールを奪われる久保(撮影・河野匠)
日本対チリ 前半、ビダル(左)にボールを奪われる中島(撮影・河野匠)
日本対チリ 前半、ビダル(左)にボールを奪われる中島(撮影・河野匠)
日本対チリ チリに敗れ、がっくりと引き揚げる、左から冨安、中山、久保(撮影・河野匠)
日本対チリ チリに敗れ、がっくりと引き揚げる、左から冨安、中山、久保(撮影・河野匠)