ベルギー1部シントトロイデンのFW鈴木優磨(24)が、欧州主要1部リーグでの日本人のシーズン最多得点記録を更新しそうな勢いだ。

13日のワーレゲム戦にフル出場し、0-2の後半27分に右からのクロスを高い打点のヘッドで決めた。リーグ戦で2試合連続となる今季14ゴール目。15-16年にオランダ1部デンハーグの元日本代表FWハーフナー・マイクが記録した16得点にあと2点と迫った。

今季は味方のパスを引き出す、動きだしの鋭さが光る。PK(3点)を除く11ゴールのうち、10点が味方のパスをダイレクトで合わせたもの。J1鹿島アントラーズ時代の18年にもシーズン2ケタ得点をマークしたが、そのときは同9点中5点(PK2点)。今季はワンタッチスコアラーとして、さらなる進化を遂げている印象だ。

さらに右足4、左足3、ヘッド4点(他PK3点)と、どんな形でも得点を奪うことができているのも特長。13日のヘディングでの得点については「いいボールだったので、先に飛んで当てるだけだった」と話していた。

ここまで目に見える結果を残すと、日本代表で見たいという声も聞こえそうだが、森保ジャパンには鹿島所属だった18年11月の親善試合(ベネズエラ戦、キルギス戦)で代表初招集。しかし、けがで不参加となり、シントトロイデン移籍後は1度も代表入りしていない。

今季はゴール数だけなら、伊東純也(ゲンク=7点)鈴木武蔵(ベールスホット=6点)というベルギー1部でプレーする日本代表FW2人を上回り、得点ランキング3位につける(13日現在)。

欧州主要1部リーグで2ケタ得点を記録した日本人選手の中で、国際Aマッチ出場0は鈴木優磨だけ。今年4月で25歳になるストライカーは、日本を代表するFWの1人として、FIFAランク1位のリーグでチームの勝利のためゴールを狙い続けている。

【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)

◆日本人選手の欧州主要1部シーズン得点記録 16点が最多。オランダ1部デンハーグのFWハーフナー・マイクが15-16年に記録した。次いで13-14年にドイツ1部ブンデスリーガのマインツFW岡崎慎司で15点。リーグのレベルで言えば、岡崎の数字が際立つ。ハーフナーは記録更新時に「ブンデスリーガで15点取っている岡くん(岡崎)のほうが、何倍もすごいと思う。自分はオランダリーグなので…」と話していた。

16点 ハーフナー・マイク(オランダ、デンハーグ)15-16年31試合

15点 岡崎慎司(ドイツ、マインツ)13-14年33試合

14点 鈴木優磨(ベルギー、シントトロイデン)20-21年27試合

13点 香川真司(ドイツ、ドルトムント)11-12年31試合

12点 岡崎慎司(ドイツ、マインツ)14-15年32試合

12点 鎌田大地(ベルギー、シントトロイデン)18-19年24試合

※16点 久保裕也(スイス+ベルギー、ヤングボーイズ5点+ヘント11点)16-17年31試合