エムバペを見ようと準々決勝前日、フランスの練習に出かけた。ベースキャンプ地はボストン近郊のベントレー大。その施設の素晴らしさに心底驚かされた。
青空の下、緑のピッチが輝いていた。管理が行き届いているのは一目瞭然。ふかふかした天然芝グラウンドが広大な敷地内にいくつもあった。メディアセンターとして活用された運動部の拠点「アスレチックセンター」の建物もまた立派だった。スポーツの強豪校でサッカー部も全米トップレベル。同時に学力も高く財務学が看板なのだという。
その帰り道、高速道沿いに大きなスタンドを持つ競技場が見えた。そこはボストン大のスタジアム。アメリカにおけるカレッジスポーツの人気の高さ、そして学生への手厚さを感じた。
このボストンは「学生の街」として知られている。名門のハーバード大やマサチューセッツ工科大(MIT)もあり、80を超える大学がそろっている。
アメリカにはどこか夢を感じてしまう。2年前、高校野球で大活躍した岩手・花巻東の佐々木麟太郎が名門スタンフォード大へ進学した。野球に限らず、日本から米国の大学へ進学するケースは増えていた。実際のサッカー部員に話を聞かせてもらった。NCAA(全米大学体育協会)ディビジョン1(1部)でもプレーしていた。
その彼は「普通の人とは違う経験がしたかった」との理由で渡米していた。環境面はもちろん、プロさながらのサポートもあったという。何より印象深いのは勉強が必須ということだ。
「ビジネスを専攻していますが、授業と試験をパスしないと、サッカーに来なくていいから勉強するように、と言われます。サッカーと勉強にフォーカスするような環境です」
学費も日本より断然高い。2年前の相場だが、年間平均は州立大が約350万円、私立では約600万円だった。そこは奨学金が手厚く、返却不要なものまでいろいろあるという。それでも生活費のため、日本の奨学金も借りていた。
実際にこちらに来てみて、物価の高さに驚かされた。日本の3倍くらいの感覚だ。それでも多くの学びがあるからこそ、未来のための投資と考えれば決して高くはないのかもしれない。
アメリカには妥協なき学びがある。だから配車サービス「Uber(ウーバー)」や空き部屋サービス「Airbnb(エアビーアンドビー)」という破壊的イノベーションが起きた。
今回の旅でも、そのウーバーの便利さには心をわしづかみにされている。【佐藤隆志】



