今季の新潟は「復帰」が熱い。
第5節福岡戦、新潟は1-0の接戦をものにして今季2勝目を挙げた。出場メンバーの中で注目したいのがスタメンのDF大野和成(26)、DF増田繁人(23)、MF加藤大(24)、MF小塚和季(21)と後半途中出場のDF酒井宣福(23)の5選手だ。
彼らはいずれも期限付き移籍からの復帰組。酒井、増田、小塚は今季、大野と加藤は14年に復帰した。さらに言えば、全員移籍期間は複数年。最短で小塚の1年半(移籍先=山口)、大野(同=愛媛、湘南)は2年半、加藤(同=愛媛)と酒井(同=福岡)は2年、増田(同=群馬、大分、町田)は3年、「武者修行」に費やした。
その成果は出ている。大野、加藤は開幕からスタメンに定着。ほかの3人もスタメン、途中出場を重ねている。復帰したJ1でのチャンスをものにしていると言えるだろう。
「純粋に彼らが頑張ったから今があるんです」。新潟の神田勝夫強化部長(49)は言う。シーズン終了後の契約更改交渉の場。当初は短期の予定だった期限付き移籍の延長を告げ続けた。「移籍先で必要とされる選手になってくれ」。
そうなるためには、移籍先の形を吸収しなければならない。その対応力と努力は「帰って来てからの力になる」(神田強化部長)と信じている。だから時間をかける。
主力の流出、大型補強の少なさなど、新潟の補強は毎年周囲から指摘される。その一方、地道な策が実を結びつつある。期限付き移籍にありがちな「片道切符」は戦力喪失を意味する。
新潟の名産にサケ料理がある。川で放流された稚魚が長期の海の旅を経験して成魚になり、生まれ故郷の川に戻る。復帰した選手が活躍する姿も、新潟名物の1つになるかもしれない。【斎藤慎一郎】
◆斎藤慎一郎(さいとう・しんいちろう)1967年(昭42)1月12日、新潟県出身。15年9月から新潟版を担当。新潟はJ2時代から取材。サッカー以外にはbj、Wリーグのバスケット、高校スポーツなど担当。



