腰の骨折から復帰したサガン鳥栖MF福田晃斗主将(27)が、J1最下位から浮上のキーマンの1人になりそうだ。4月6日仙台戦で「おう突起という腰の骨が3本折れた」と明かす重傷で戦線離脱。今も「まだ完璧にはくっついていない」という状態だ。

だが「もう痛みはないんで大丈夫かなという感じ。同じことがなければ、また折れることはないと思う」と言い、5月11日G大阪戦で5試合ぶりに復帰し、チームの今季2勝目に貢献した。

鳥栖は、G大阪戦の前まで5連敗中で、10試合で1勝1分け8敗だった。しかも総得点はわずか「1」という目も当てられない状況。その間、福田主将は「もどかしい思いだった。いち早く試合に出て自分がバランスを整えたり、気になっていることをやれればと感じていた」と振り返った。

そして5月7日、金明輝(キム・ミョンヒ)新監督(38)の就任と同時に新主将に就任。任命され「迷いなく『やります』と返事しました」と、鳥栖生え抜き7年目のおとこ気で低迷からの再起を誓った。

これまでサイドハーフが主戦場だった。だがG大阪戦は、新指揮官により、高校、大学でもこなしたボランチで起用され、慣れ親しんだポジションで暴れた。

「真ん中の選手がうるさいくらい『わー、わー』言って、試合中も整えられたらと思っていた。僕がバランスを整えることで、ボールを取られても、すぐ守備ができるように考えてやっていました」

献身的な姿勢を見せ「どの試合も、守備でしっかりゼロに抑えた上で得点を狙っていけば、チームはいい方向に行く」と覚悟を決めた。

次節は5月17日広島。攻略のイメージについて「バイタルエリアやペナルティー付近の崩しが大事になると思う。逆にカウンターで1点取られると相手の思うつぼなので、バランスを整えまずは失点しないこと。根気強く攻撃したい」と語る。

昨季は元スペイン代表FWフェルナンドトーレス(35)の来日初得点や、リーグ戦初得点をアシストし存在感を示した新主将は、次節広島戦を「(G大阪戦は)浮上のきっかけになったが、負けたら意味がない」と位置づける。再生・鳥栖の真価が問われる大一番も死力を尽くしてもらいたい。【菊川光一】

◆菊川光一(きくかわ・こういち)1968年(昭43)4月14日、福岡市生まれ。福岡大大濠高-西南大卒。93年入社。写真部などを経て現在報道部で主にJリーグなど一般スポーツを担当、プロ野球などのカメラマンも兼務する「二刀流記者」。スポーツ歴は野球、陸上・中長距離。