引退を表明した「なでしこジャパン」の顔、澤穂希(37)は、20年東京五輪や日本が招致を目指す23年女子W杯に向けて、次のステージでの活躍が期待されている。日本サッカー協会の小倉純二名誉会長(77)が16日、東京・本郷のJFAハウスで取材に応じ、23年女子W杯の組織委員会のトップを任せたい考えを示した。

 JFAハウスで会議を終えた小倉名誉会長は「さっき会議の席で話題になって知りました。ちょっと残念です」と切り出した。「リオまでやってくれると思っていた。彼女の大きさは、佐々木監督が一番感じているところだと思う。今年のW杯でも、苦しい時にしっかりチームを支えてくれた」。澤不在だったW杯カナダ大会前の戦いで苦戦が続いたことも挙げつつ、澤の存在の大きさを強調した。

 だが、小倉名誉会長は残念がるだけでは終わらなかった。「彼女には、日本への招致に動いている23年のW杯で、組織委員長をやってもらいたいんですよ」とうなずいた。以前から折に触れ、そういう考えは示していた。今回、本人が現役を退いたことを受け「今からメールします。次の仕事は決まっているぞ、とね」と“正式オファー”を送ることを明言した。

 「11年女子W杯でも、開催国のドイツは米国で澤のチームメートだったステフィ・ジョーンズを組織委員長に据えていた」。世界的に有名な選手こそ、世界各国を回ってのロビー活動や、大会のPRを行う「協会の顔」として最適だというのが、小倉名誉会長の考えだ。「澤は世界のMVPにもなっているし、12年にFIFAの会議で配布されたリポートで表紙を飾ったこともある」と続けた。

 小倉名誉会長は「以前、ステフィ・ジョーンズからも、澤に組織委員長を引き受けるようにと言ってもらったことがあります」と明かした。当時は現役だったため、本格的なオファーには至らなかったが、今後は本格的に「澤組織委員長」就任への動きを加速させるとみられる。

 「彼女なら招致から大会運営まで、すべて任せられる。東京五輪のこともお願いしたいし、やってもらいたいことはたくさんあります」と小倉名誉会長。引退後も女子サッカーの普及に力を注ぐ考えを持っている澤に寄せられる期待は大きい。【塩畑大輔】