9カ月ぶりに日本代表に復帰した絶好調のFW宇佐美貴史(25=デュッセルドルフ)が20日、自信を見せた。

 リエージュ(ベルギー)で合宿2日目の練習に臨み、9対9のミニゲームでは主力組の左サイドに入った。所属のデュッセルドルフでは4試合連続ゴールを挙げ、代表に復帰。「(クラブでの好調が)はね返りとしていい部分で出てきている。常に高いものを目指してやっていく。その1つとして代表にこられたのは良かった」と手応えを得た。

 今回左サイドで招集された宇佐美だが、現在クラブでは右サイドを務めている。「2列目ならどこでもできる自信がある。高いパフォーマンスができる自信はあるし、右でもしっかり戦える。そういうポリバレント性(1人で複数のポジションをこなせる選手)も見せていけたら」。デュッセルドルフで得点やアシストを重ね、さらに自信を深めた。

 自身で成長を感じる点はまだある。これまでは、豪快なドリブル突破や正確なシュートでゴールを生んできた。だが「90分通して1本のチャンスを仕留める、という今までになかった感覚を得られるようになった」という。「落ち着いた判断が出来るようになった。可能性を広げるし、いるべき場所にいることができている」とストライカーとしての嗅覚がより一層磨かれた。

 W杯まで残り3カ月でサバイバルは続く。競争は激しいが「今に始まったことじゃない」と笑い飛ばした。「ドイツでも競争してやっている。競争には慣れている。生きるか死ぬか。勝ち慣れてはないけどね(笑い)。普段通りやっていく」。ひと皮むけた宇佐美の戦いはこれからだ。